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学園祭と就活
 大学等での秋の学園祭シーズンも一段落であるが、新聞等での情報で恐縮だ
が、昨今の大学では学園祭の出し物、イベントに「就活」をテーマにした取り
組みが出てきたという。

 都内の大学では、リクルートファッションをテーマにしたイベントを百貨店
と提携して企画したという。グループの百貨店を利用してだから、商売気も感
じる。また、就活向けの論作文講座を開くところもあるという。専門家を招い
て、論作文や自己PRの書き方を教えるとのことで、就活直結型に感じる。

 また、中国地方では7月に開催された国立大学の大学祭に県の若者就職支援
センターが出張して支援業務をしたという。職業簡易興味検査や無料の名刺作
成サービスを実施、学生40人が利用したという。

 もちろん、厳しい環境を反映しての就活支援という目的もあるのだろうが、
実は大学祭への学生の参加は全体的に減少傾向で、企画・運営をするのも少な
くなっているとともに、観客としての参加も減っていることも、こうしたイベ
ントで呼び込もうとする意図があるという。

 翻って、私の関係する大学二校の学生に今年のプログラムなどを聞いてみる
と、確定していないが就活に関する催しは皆無のようである。そして、それが
当たり前だとも思う。

 元々、就活に有利、企画力やリーダーシップを評価されるからと、学園祭の
実行委員になる学生は多い。模擬面接をしていると、同じ話題なのに「考えた
のは私」が4−5人出てくることもある。この傾向に加えて「就活をテーマにし
たイベントやりました!」の自己PRを複数の学生から自慢げに聞かされるかと
思うと少々気が重くなる。

 学園祭は学園祭、学生だからできる工夫で楽しみ、その結果としての自己PR
であって欲しい。


             (2012/11/19 人材開発メールニュース第704号掲載)


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