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営業研修の現場から・2012年秋
 先月から某販売会社(新規受注)でのシリーズ化した営業研修が続いている。
テーマは今更ながらの“提案営業”推進なのだが、現状の営業スキルを確認す
るためのロールプレイングを最初に行ったが、ここで意外な事実が判明する。

 その会社の営業は、新規開拓とルートセールスの両方が必要になるのだが、
営業歴4−5年のセールスマンが集まっているにも拘わらず、新規もルートいず
れにも、お客様から提案活動に必要な情報をヒアリングいるときの基本事項が
まちまち、要は体系化されていないのである。

 結果、ヒアリング自体が成り立たない。そもそもヒアリングするという発想
が乏しく、新規開拓はドアをこじ開けて応接に座れれば、一方的に売り込みを
するだけ。ルートは、挨拶とご用聞きに徹し、クレーム対応が一番長く担当者
と話す場面という。

 それでは営業にならないとばかりに、基本的な営業の流れや標準的なトーク
を整理し、ヒアリング項目をリスト化して体系化する、YES・NO形式でお客様
の返答によって、次のヒアリング項目を用意する、営業トークを変えるといっ
た『マニュアル』の整備を先に取り組むことにした。提案営業研修が、シリー
ズ2回目から営業標準化研修に様相を変えてしまった。トホホ…である。
 というより、早く気が付いて良かった。しかし、当案件は同社の社長と常務
にプレゼンテーションをして受注したものだが、そもそも「提案営業を基本か
ら教えて」と言われたのは先方であり、二人はこの実態をどれだけ理解してい
たのか疑問である。

 何度か同席していた課長と部長は不安げな顔をしていたが、うなずける。し
かし、上には言えなかったか。
 そして、この仕事は来年3月まで月1回ペースで進んでいく。


             (2012/10/15 人材開発メールニュース第699号掲載)


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