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違和感を感じるグローバルリーダー必要論?
 少し前のコラムでも触れましたが、最近「グローバル人材」「グローバルリ
ーダー」に関する話題が急激に増えています。国内市場が伸び悩む中で、海外
へ展開していこうとする動きは、地方でもかなり活発になり、そのための人材
が必要だという声が増えています。

 経営のグローバル化が進む中で、少し強めの意見だと「今後10年、20年を考
えると、国内でしか通用しない人材は生き残れない」「海外で活躍するために
は、語学は必須だ」そんな意見もあります。裏を返せば、グローバルリーダー
の養成が上手く進んでいないのかもしれません。

 ただ、周囲で言われているグローバルリーダー必要論?にも違和感を感じて
います。「海外で通用、活躍する人材」が求められ、「グローバル人材=海外
要員」という論調が強いとやはり違和感を感じます。今求められているのは、
グローバルリーダーではなく、「リーダー」だと考えています。

 個人的には、グローバル化とは「境」が減る、無くなることだと解釈してま
す。「境」が小さくなると、ヒト・モノ・カネ・情報といったものが、流入し
たり、流出したりすることが加速します。従って、様々なモノ・コトが出入り
するようになり、自分の立ち居地も揺らぎ易く、どこに根を下ろし活動するか
が企業や個人にとっても大きな課題だと言えます。

 揺らぎの中で自分の立ち居地を決めるには、当然ながら意志が必要であり、
自分で自分の立ち居地を決定できるリーダーが求められているのではないでし
ょうか。それは、国内・国外関係なく、海外で活躍するしないではなく、多く
の人がそれぞれの立ち居地で考えなければならない課題だと言えます。
 未来を志向しながら(現実志向だけでなく)自分の立ち居地を考え、必要な
スキルを自らチョイスして、身に付けていくことができる人材、自らの生き方
に対してリーダーシップを発揮できる人材が求めれられているのではないでし
ょうか。


             (2012/09/10 人材開発メールニュース第694号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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