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フロンティア人材研究会・報告書を読んで
 少し前になりますが、経済産業省「新しい事業を構想・創造する人材を創出
する仕組みを考える研究会(フロンティア人材研究会)」の報告書が発表され
ました。

<ご参考> 「フロンティア人材研究会」報告書
  http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/frontier-jinzai/

 新規事業に関わらず、人材育成の観点からも色々と参考になる報告書です。
個人的には「フロンティア人材の特性」に関する報告が一番印象に残りました。
そこでは、下記のような記述があります。

---- フロンティア人材研究会・報告書より抜粋 ----

 多くの日本企業では、フロンティア人材に「推進力」、「構想力」、「挑戦
心」を求める一方で、研究会委員からは、 「利他精神」、「自己管理力」、
「質問力」、「捨てる力」が重要との指摘、経営者が「真のイノベーター」に
必要な能力をわかっていないことが課題である。
 多くの企業では、30代、40代にフロンティア人材が多いと回答している一方、
研究会では、若者の方がイノベーションを起こせる可能性が高いとの指摘もあ
った。

---- 抜粋ここまで ----

 新規事業に必要な人材を経営者が理解していないという指摘は、非常に共感
できる視点です。既存事業が伸び悩む中で、新規事業への期待が高まりますが、
その一方で、中々進まない一因として、アイデアレベルでもリスクヘッジを要
求されることがあります。危険な発想、とんでもない発想は避ける…そんな感
じでしょうか。一概には言えませんが、既存事業と似たような発想では、既存
事業を超えることはできません。

 新たな事業を構想・実現するということは、新たなアイデアを受け入れると
いうことでもあります。言い過ぎかもしれませんが、これまでの判断基準で判
断しないと言うことでもあります。

 新規事業に必要なのは、新しい人材ではなく、新しいアイデアを受け入れる
既存経営陣・ビジネスパーソンの価値観の転換かもしれません。同時に今後の
マネジメントにおいては、適切に任せる(丸投げではなく)ことが大事な要素
になると言えます。皆さんの周りではいかがですか?


             (2012/07/23 人材開発メールニュース第688号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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