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今年の新入社員のタイプ・奇跡の一本松?
 新入社員を迎えて1ヶ月半、導入研修も既に終わって配属され「五月病」を
乗り越えた時期といえるが、皆さんの会社の新人はいかがでしょうか。

 毎年、公益財団法人日本生産性本部の発表される入社年度別新入社員タイプ、
今年は“奇跡の一本松型”と命名された。
 その心は、『困難な就職活動の中での「頑張り」−大卒予定者の就職内定率
が過去三番目に低い(80.5%)という厳しい中、就職戦線を乗り越えてきた若
者たちの頑張りを賞賛したい。
 これからの人生においても自然災害をはじめ「想定外」の事態に直面するこ
ともあろうが、その困難を乗り越えていくことが大いに期待される。

 今のところ未知数だが、先輩の胸を借りる(接木)などしながら、その適性
や能力(種子や種)を育てていけば、やがてどんな部署でもやっていける(移
植)だろうし、他の仲間とつながって大きく育っていく(松原)だろう。』と
いうことだ。

 東日本大震災にも耐えて生き残った岩手県陸前高田市、「奇跡の一本松」の
話と関連づけて話題性も十分あり、昨年、震災のために未発表に終わった“は
やぶさ型”(最初は音信不通になったり、制御不能になったりでハラハラさせ
られるが、長い目で見れば期待した成果が上げられるであろう。諦めずに根気
よくシグナルを送り続けることが肝心だ)と比べると、少々説得力に欠ける感
じもするが、時代を映す鏡なのだろう。所詮、イベント的なものだ。正しさよ
りも話題が先行する。

 一方で、日本緑化センターが「蘇生は絶望的」として、当の一本松は保護か
ら幹を「記念碑」として保存する方針に残念ながら転じてしまった。高田松原
自体の価値と、復興のシンボルとしての価値を考えると惜しい、無念である。
そちらの方が大いに気になってしまう。

 転じて、今年の新入社員も(こうしたレッテルに影響される必要もなく、気
にもしないだろうが)、蘇生(戦力化、協働化)は絶望的と、言われないよう
に頑張ってもらいたい。


             (2012/05/21 人材開発メールニュース第679号掲載)


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