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就職指導の現場から・2012年春
 今年度の採用・就活戦線、採用選考開始から約1ヶ月が経過した。4月第三週
あたりから「明日、最終面接です」「明日、役員面接です」という学生からの
連絡がチラホラと入り始めたと思ったら、第四週の冒頭から『やったー!内々
定です』『内定ゲット〜』的な連絡が舞い込んできた。

 昨年度の採用・就活戦線が大震災の後を受けて、中断、延期と言った先の見
えにくい戦いだったとしたら、今年は倫理憲章とはいえ、新・就職協定による
12月1日広報スタートという手探り状態の中で、暗中模索の日々を過ごした学
生も多いと思う。とはいうものの、ある就職情報会社の調査によると3月末ま
でに出た内定・内々定は8〜9%と、例年よりも低いようで、実質的に4月1日以
降選考開始は守られ、ある意味、整然とした印象が強い。

 そして、これからGWを挟んで5月中旬にかけて、内定出しのピークを迎える
のであろう。

 4月上旬に東北の大学で、4年生向けのフォローガイダンスと個別に相談を受
ける機会があった。個別相談は10人前後だったが、順調に内々定近くまで進ん
でいる学生は、11月くらいから応募先のターゲットを明確にして少しずつ準備
してきており、2月に入ると東京まで足を運んで合同説明会に参加してきたと
いう学生が大半である。逆に遅々として進まない、この4月上旬で応募先(エ
ントリー)が枯渇気味の学生は、12月スタートで手遅れ、エントリーも研究も
進められなかった学生と、二極分化していた。

 今年の傾向として、全体的に準備時間が短いこともあり、学生の業界・企業
研究が進まず、エントリー数も格段に落ちたといわれていたが、目の前の学生
にその縮図が見えた気がした。とはいうものの、どの大学でも10月くらいから
ガイダンスで準備の大切さを指導しているはずであり、たまたま本エントリー
が一斉開始というくらいの違いで、本当の意味での就活そのものは変わってい
ないことを考えれば、例年通りとも言えなくはない。

 残念ながら、時代や環境がどんどん変わろうとも、それに対応できない、対
応しようとしない人もいるわけで、就活そのものが入社後のビジネス行動を予
想できるものと考えられれば、企業側の見立ての適切さが証明されているとも
いえる。


             (2012/05/07 人材開発メールニュース第677号掲載)


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