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組織の実力、安心して話せる環境
 先日ある企業の幹部の方と話をしている時に「業績が良い時は問題が聞こえ
るが、業績が悪くなると問題が聞こえなくなる」という話が出ました。

 一瞬、逆のような感じもしますが、業績が良い時は、多少のミスがあっても
カバーできるという安心感もあり、問題が次から次に上がってくることが多い
ようです。反対に業績が悪い時には、ミスを責められる、また「自分で何とか
しなくては…」と言う責任感?なのか、すぐに問題が出てこない組織もあるよ
うです。

 「問題があるのは当たり前」「問題が無いのが問題だ」と言われながら、実
際は、無いどころか隠す組織もあります。さらに、酷いところでは個別の事象
を潰しにかかることもあります。誰かが勇気を持って、問題を上げようとする
と圧力?がかかることもあるようです。業績が悪く、厳しい局面になればなる
ほど、問題をどう取り扱うか組織の風土・文化が問われます。

 問題を隠した人の責を問う、確かにそういう対応も必要なのかもしれません。
しかし実際は、隠そうとした行動に起因するものを探らなければ、同じことが
繰り返される、再発性が高いと言わざるを得ません。

 その幹部の方が言われていましたが「まだ本当の組織の実力がなかったんだ
なあ…」と。幹部クラスの方が一人でもそういう意識を持っていると、未来は
明るいと言えます。少数派かもしれませんが、一人が気付く、思う、行動する
ことは尊いことです。
 少数派だと変わらないと言われることもありますが、元々何かがスタートし
た時には、全て一人(個)からスタートしているはずです。少数派の意見・行
動は、変化を起こすための必要条件であることは間違いありません。

 問題があまり語られらなくなった時、安心して話せる環境があるかどうかを
すぐに確認する…変化が激しい時代であればこそ、早く対処できる仕組みを持
つ組織が強いと言えます。


             (2012/03/26 人材開発メールニュース第672号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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