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市場は観点・センスで変わる
 最近、営業のプロセス改善に関する話がいくつか続いております。営業部門、
営業担当者は、今までと同じように取り組んでいるが、業績(売上)が伸び悩
んでいる…営業プロセスを見直したいという話題が多い状況です。

 企業(組織)ごとに課題は異なりますが、上手く行ってない企業(組織)に
多いのは、計画・目標段階から既に白旗ムードになっている印象を受けます。
戦う前から、戦意喪失気味?だとやはり上手く行きません。
 以前は、異常に高い?目標値を設定されるケースもありましたが、むしろ最
近は、高く設定しているわけでもないのに、現場で苦戦が続いるために、目標
が高く感じられる、そのために戦意を失って行くといった、悪循環があるよう
です。

 営業目標・計画を策定する際に、一般的に市場や商品(サービス)別で目標
設定する方法がよく使われます。例えば、新規−既存と言う切り口で、予算を
達成するために新規をこれぐらい、既存をこれぐらい、と決めて取り組む方法
です。市場を細分化すると、細分化した中でより具体的な行動計画を立案しや
すくなります。切り口は様々ですが、営業目標・計画を策定する際には、新規
−既存といった指標を利用することが多いと言えます。

 指標を用いて細分化する方法は、市場が成長期にある場面では、有効に機能
しますが、市場が成熟すると、思ったような効果が現れない(通用しないわけ
ではないが…)こともあります。以前のように「新規−既存で目標を立てても
上手くいかない」「今まで以上に細かく分析しているが思うように行かない」
…そんな声を聞くこともあります。

 こういうケースでは、違う指標で考える方法を薦めます。苦戦している企業
(組織)では、指標を変えずにさらに細かく分析しようとする傾向があります。
苦戦している現場ほど、市場の切り口が少なくかつ固定化しています。例えば、
新規−既存という指標だけで市場を見ていると、いつも営業会議で出てくる発
言は、「新規は難しい」「既存は伸びない」というお決まりの話題だったりし
ます。切り口が固定観念?となり、それ以上の対策が出ないケースも多いので
はないでしょうか。
 むしろ、これまでの指標は思い切って捨て、「新規−既存で市場を語るのは
禁止」と宿題を出すと、結構面白い回答(アイデア)が出てくることもありま
す。それが、新たな営業展開につながるケースもあります。

 市場というのは、ある意味“観点”“センス”が反映されます。目の前にあ
る市場が、成長期・成熟期・衰退期なのかは、どう捉えるかによって異なりま
す。少なくとも営業を仕掛ける側の発想が柔軟でなければ、新しい市場は見つ
かりません。皆さんの周りではいかがですか?


             (2012/03/12 人材開発メールニュース第670号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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