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出張の現場から・2012年冬−青森編
 私は青森にもう12年ほど通っている。秋から春先にかけてが訪問頻度が高く
6回ほどあろうか。日帰りが大半だが、泊まりも2回ある。青森の訪問先は青森
市内、空港からタクシーで20分くらいのところに訪問先がある。

 ご存じのように、年末から年明けにかけて、日本列島、特に北陸・東北の日
本海側と北海道は豪雪に見舞われた。青森も例外でなく、1月上旬には市内の
積雪は例年の2倍以上、130センチを超えた。2車線ある道路は雪で1車線が埋ま
り、細い道では雪の壁の中を走っている感じ。その状況に輪をかけたのは、被
災地に大半の土木用トラックが駆り出され、雪を捨てるためのトラック不足で
あった。私のように横浜・東京育ち、スキーもやらない身には雪の多さは過去
にも経験した(4−5年前に青森は記録的な豪雪に見舞われた)とはいえ、私に
は恐怖でしかない。

 とはいっても、所詮、旅人、ちょっと青森に来ては、さっさと帰る身、お気
楽だろうとお思いだが、常に移動リスクの恐怖に晒される。

 青森への移動は大半が飛行機だが、「雪のため天候調査中」「雪のため着陸
できない場合は三澤空港か、羽田に戻る」案内板が毎回の行事。それでも何と
か飛んで青森空港に着くと、今度は帰りの飛行機が飛ぶのかと次の心配が始ま
る。
 自分が帰るためには、東京からの飛行機が空港に到着しなくてはならない。
毎回日帰りのときは、17時10分の飛行機に乗る。その飛行機は16時20分、青森
空港着。早めに空港に来て、その飛行機が雪吹雪舞う空港に無事着陸すると、
心の中で「快哉!」と叫び、小さなガッツポーズを思わずしてしまう。そんな
自分が情けないけど、帰れることが嬉しい。しかし、このままスムーズに飛び
立てず、飛行機の翼や噴射口の凍結が始まり、それを強烈な水シャワーで飛ば
す作業があり、予定時刻を30分以上オーバーしてしまう。それでも、ジェット
機は健気に私を乗せて羽田に飛ぶ。
 それは、出張からの帰りというより、青森から脱出、逃避行、いや逃げ帰る
よう。想いは飛び立った瞬間、羽田に飛んでしまう。

 それでも、青森は良い街で、いいところです。
 でも、雪は勘弁してほしいですね。こうして愚痴は続く。ブツブツ…。


             (2012/02/20 人材開発メールニュース第667号掲載)


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