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2011年を振りかえって
 また年の瀬を慌ただしく迎えてしまった。
 「今年こそは…」と例年とは違う一年のフィナーレを迎えようと思って幾星
霜、相変わらずの成長になさにトホホ…感しか残らない。

 今年一年を振り返ると、すべてはあの3.11に凝縮される。もちろん被災地、
被災者でもない人間が軽々しく口にするものでもないが、やはり「あのとき」
の揺れや不安感、そして5時間歩き通した都心のあの混乱した光景が目に焼き
付いている。テレビ画面に流れる津波とそれに押しつぶされ流される街、都心
を何万という人間がほぼ一歩に向かって歩いている景色、何万という人が溢れ
かえっている渋谷の駅前…すべてが夢幻であってほしいと今でも思っている。

 あらゆる手段を尽くして、可能な限りの支援をしたつもりだが、あまりにも
ささやかな手の差し伸べ方に、逆に、自分自身への虚しさ、無力感が漂うばか
りだ。それでも、平穏無事といえば平和、節電や多少の損害にあったとしても、
申し訳ないが生きていることだけでも幸せの範疇に属していて、それだけでも
申し訳ないことに思える。

 毎年のことながら、「来年はどのような年になるだろうか」と思う。そして、
今回こそ節に思うことはない、「本当に良い年になってほしい」と。

 大震災だけでなく、企業を取り巻く六重苦、ヨーロッパの金融危機など、四
方八方から押し寄せる障害や天変地異に立ち尽くすことが多すぎる。それを避
けることはできないが、せめて一瞬にして多くの人の命や夢を奪うことだけは
止めて欲しいと思う。

 今年一年、毎々のご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます。
 来年も些末なことにこだわって、当コラムを展開して参ります。
 本当に“良いお年をお迎えください”


             (2011/12/19 人材開発メールニュース第659号掲載)


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