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震災後の対応…一つ変われば三つ変わる
 東北地方太平洋沖地震により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り
申し上げますと共に、被災された皆様、そのご家族に、心よりお見舞いを申し
上げます。また、一日も早い復旧と平穏な生活に戻れますよう心よりお祈り申
し上げます。

 福島第一原発の事故による電力供給不能・廃炉に引き続き、浜岡原発の停止
によってこの夏の関東−中部圏の電力不足、節電努力、輪番制や計画的な営業・
操業停止も現実味を帯びてきた。既に自動車業界などでは電力利用が集中しな
いように土日操業、平日休みでの計画停電も予定されている。また、某建設会
社では自転車通勤に手当てを出して鉄道や自動車通勤を抑制するところもあり、
太陽光などの創電と、スーパークールビズをはじめ工夫による節電・減電・電
力ゼロなど、創る・生むと抑制する・減らすに関するさまざまなアイデアが出
て、その対応力は「さすが日本!」だと思う。

 しかし、そうした対応はライフスタイルや地域の産業構造すら変えかねない。
いや、変わらずを得ないのではないだろうか。

 自動車業界の土日稼働、国内の自動車製造に関わる人口は約80万人、その家
族も含めれば200万人近くの人の生活に変化が生じる。東海地方や九州なでの
自動車生産集積地では、小売業や交通機関、保育施設などに大きな影響を与え
るだろう。ちなみに栃木県では自動車関連従事者約29,000人(08年)、全産業従
業員の一割にあたるという。

 また、私が仕事のテーマとしているタイムマネジメントの研修でよく話すの
だが、節電地区でサマータイムを実施した場合、取引先は7時-15時に就業して
いるのに、こちらは9時-17時の「国内時差」みたいなものが発生した中での仕
事も考えられる。まさに電気を発端に、時間を考える時代の到来でもある。

 「一つ変われば三つ変わる」よく言われる言葉だが、まさに生活を支える根
本的なことの変化が、多くのことに波及する…。それでも、そうしたことを受
容しながらも工夫していくのも楽しいかもしれない。

 今でも、そうでしょう。確かに電力不足・節電は暗いし何となく不便だけど、
その分、電気代は半分(我が家)、節電で新しい何かが生まれるかもしれない。
電気のない生活を楽しむ…それもまた良き変化と思えばいいのではないか。


             (2011/06/20 人材開発メールニュース第634号掲載)


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