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大震災と就職活動(2)
 東北地方太平洋沖地震により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り
申し上げますと共に、被災された皆様、そのご家族に、心よりお見舞いを申し
上げます。また、一日も早い復旧と平穏な生活に戻れますよう心よりお祈り申
し上げます。

 某就職情報会社の調査によれば、5月1日現在の新卒学生の内定率は35%、前
年同月比を12%強下回ったという。東日本大震災を受けて、大手企業を中心に
選考開始が1−2ヶ月遅らせたことも響いているということだろう。
 また、同調査によれば、既に内定を獲得して就活を終了した学生は36%、前
年の半分程度で、58%の学生が本命の選考開始や選考結果待ちで、就活継続中
とのことである。

 私のところにも既に10人あまり(例年5月末には30人程度、内定の連絡が来
ていたが、今年は特に少ない、学生も報告や連絡する時間も惜しいのではない
か)の学生からメールが来ているが、大半が「就活継続」を伝えてきた(結構、
大手の内定もいるのだが)。

 震災で影響を受けた学生は「非常に」(30%)も含めて8割近くあり、内容
は「選考の延期」(95%)、「意欲の低下」(39%)、「志望企業の採用中止」
(17.8%)となり、前回このコラムで書いた被災地でない学生でもマインドへ
の影響がうかがわれる。

 震災の影響による延期、採用減・採用中止はもちろんだが、残念ながら学生
の就活環境は厳しさが増している。それでなくとも、今年は製造業をはじめと
した大企業の外国人採用枠の拡大、卒業延期制度利用の実質5年生、卒業後3年
まで新卒扱い枠の卒業生…ライバルに事欠かないし、増えるばかり。

 競争率は高まるうえ、厳選でのハードルの高い選考や試験。新卒受難の時代
なのかもしれないし、その競争や選考を乗り切りたくましく未開の大地を切り
開いていく若人の育成をするのも大学をはじめとする教育機関の使命であろう
し、親からも世の中からも期待されているのだと思う。


             (2011/06/06 人材開発メールニュース第632号掲載)


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