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意識・価値観の変化と組織へのグリッド感
 少し前になりますが、電通総研から「震災一ヶ月後の生活者意識」調査結果
が発表されました。

 <参考>電通総研「震災一ヶ月後の生活者意識」調査結果
  → http://www.dentsu.co.jp/news/release/2011/pdf/2011040-0427.pdf

 震災後に変化した生活者意識が取り上げられています。既に様々な意識の変
化が顕著になっています。今後その変化の影響が、より大きな波となって拡が
って行くと予測されます。

 意識・価値観の変化は、マーケットの変化につながり、経営の変化にもつな
がっていきます。外部環境に対しては、より生活者の意識に沿った、サービス
や商品・製品の提供が望まれ、内部環境に対しては、従業員=生活者と考える
と、従業員の満足や意欲を高めることも必要になります。

 人事・人材開発の分野においても、見直しの必要性という話題が増えていま
す。通常の指示命令系統が機能しない、マニュアルだけでは対応できない場面
において、どう行動する(行動した)のか?困難な場面に遭遇して改めて行動
やオペレーションのベースにある組織の理念・考え方などが明らかになったと
言われております。

 併せて震災後の適応力・復旧力が高い組織とそうでない組織の二極化が進ん
でいます。適応力・復旧力の高い組織は、困難な状況においても人が集まって
くる組織が多いと言われています。所属する企業・組織に対する帰属意識や忠
誠心、“グリッド感”をどう高めていくかは、今まで以上に大きなテーマにな
ります。極端な話かもしれませんが、待遇・条件だけでは、人をひきつけられ
ないですね。では、何で引きつけるか?グリットさせるか?大事なテーマです。

 今回のことをきっかけに経営環境はさらに大きく・早く変化していくでしょ
う。次から次へと、世の中の状況が変わっていく中で、「事業と人」を見直す
場面も増えていきます。例えば、従業員も生活者ですが、従業員>生活者、従
業員=生活者、従業員<生活者、どう捉えるかによって人事・人材開発も異な
り、当然経営も変わってきます。

 生活者全般、また働く人々の心の奥底に不安感や焦りが増えたと言われてい
ます。不安や焦りは、どうしても悪い影響・リスクになると考えられがちです
が、上手く取り込む・解消することで、組織に良い影響・ドライブをもたらし
てくれます。皆さんの周りでの変化はいかがですか?


             (2011/05/30 人材開発メールニュース第631号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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