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見通し・目的・目標の必要性
 震災の影響が相変わらず続いております。特に原発に関しては、なかなか収
束する見通しが立たず、楽観論・悲観論が飛び交うような状況が続いているよ
うに感じます。またその過程で対策や作業に関する批判なども沢山見聞きしま
す。復興や新しい社会作りに向けて役立つ批判であれば良いと思いますが、そ
うでないものも多いような印象を受けます。

 いずれにしても、見通しが立っていない(先が見えない)ことが、不安や不
満を増長している一因になっていると思われます。当たり前のことですが、見
通しやビジョンと言われるものが大切なことを再確認しているように感じます。

 復興や救援作業をする中で、当たり前の話ですが、人命救助が最優先されて
います。人命救助が一番、では二番目は?現場では、復興や救援作業を進める
にあたって方針の意思統一が不足していることがあるのかもしれません。
 前述の収束する見通しが立たないという話も同様ですが、何を持って収束と
言うのか明確にする必要があると言えます。短期・長期での収束、もしかする
と我々の世代での収束、次世代での収束、そういうことも、いずれ考えなけれ
ばいけないかもしれません。

 被災した現場では、かなり緊張した状態で様々な作業が行われています。緊
張感が高い中で、目的・目標も見え難く、さらには日々の進捗もわかりづらい
ということであれば、健全に作業を進めることは困難です。
 少しでも健全な状態に戻すためには、作業を細分化し、一つ一つ目的・目標
を明確にすることも必要です。昨日より今日が良くなっている事を、実感でき
る・体感できることが必要だと言えます。

 そう言いながら、日頃福岡に住んでいる私は、先週東京に出張して改めて震
災に対する福岡と東京の感覚の違いを感じました(あくまでも個人的な感覚で
す)。被災された地域とでは、さらに異なる感覚があると想像してます。
 現在、各地で「自分たちでできること」を考える取り組みが増えています。
置かれている環境は異なりますが、「自分たちでできること」「自分たちしか
できないこと」を見つめることは、大切なことだと思います。

 個人的には、今回の震災は大きなパラダイムシフトに繋がっていくと思って
います。ワークとは?ライフとは?ワーク・ライフとは?企業とは?その目的
や意味を確認する必要ではないでしょうか。


             (2011/03/28 人材開発メールニュース第623号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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