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小さな行動を生み出す
 リーダー不在…ビジネスの場面に限らず、様々な場面でそういう声が聞こえ
てきます。人材開発の場面においても、「リーダー、幹部」と言ったキーワー
ドで採用や育成が展開されているのも、その表れだと言えます。

 リーダー不在について課題解決を進めていくためには、少し問題を整理する
必要があります。例えば、「リーダー不在」ということではなく、「リーダー
が育ちにくい」と置き換えると、問題の捉え方や、課題解決に向けたアプロー
チも異なってきます。

 ネガティブな感じかもしれませんが、阻害要因を分析することは大切なこと
です。30代〜40代の管理者研修などで「リーダーが育ちにくい要因は?」とブ
レーンストーミングを行うと、短時間でもたくさんのアイデアが出てきます。
特に日頃から「リーダーがいない」と言っている企業(組織)ほど、たくさん
のアイデアが出てきます。「リーダーがいない」と叫びつつも、打つ手が無い
かと言うとそうでもなく、組織内で気付いている(意識している)が、手をつ
けていないケースが多いのではないでしょうか。

 リーダー不在に限ったことでなく、日頃から問題意識を持ちながら取り組ん
でいないことはたくさんあると言えます。ややこしい話になりますが、「リー
ダー不在」が問題ではなくて、「リーダーがいないと言いつつ、何も手を打た
ない行動・意識の存在」が問題なのかもしれません。

 いずれにしても、長年にわたって横たわっている課題(本当にそれが課題か
どうかわからないこともありますが…)については、もう少し組織の多くの方
が考え易いサイズや意味に置き換えることも必要です。

 先行きが不透明だとよく言われますが、実は見えていながら手をつけてない
こともたくさんあるように思われます。組織内の目先を変える、新たな思考や
着眼点を加える、スタートを切らせるなど、小さな行動を生み出すことが必要
です。これまでと少し異なる、いつもと少し異なる小さな行動を生み出す…こ
れからの人材開発に求められる一つの機能だと言えます。


             (2011/02/28 人材開発メールニュース第619号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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