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使用頻度が高い言葉…○○能力とは?
 先日、日本経団連から「産業界の求める人材像と大学教育への期待に関する
アンケート結果」が発表されました。

【参考】
 社団法人日本経済団体連合会
 「産業界の求める人材像と大学教育への期待に関するアンケート結果」
 http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2011/005/index.html

 この調査で、大学生の採用に際して「非常に重視する」との回答が多かった
のは「主体性」「コミュニケーション能力」「実行力」「チームワーク・協調
性」という結果でした。
 一方、最近の大学生に不足していると思われる素質・態度に関しては、「主
体性」を挙げる回答が最も多く、「職業観」「実行力」が続き、不足している
と思われる能力・知識については、「創造力」が最も多く、「産業技術への理
解」「コミュニケーション能力」が続きました。また、この調査結果でも取り
上げられていますが、企業が重視しているコミュニケーション能力については、
企業の学生に対する評価が低いことが確認されました。

 実際、採用を手伝っている時に、応募してきた学生は「コミュニケーション
に自信があります」と言っているものの、企業(採用)側からすると、本人が
言うほどコミュニケーション力が高いと感じないケースがあります。コミュニ
ケーションの捉え方について、双方の認識が異なっている感じです。

 これは、学生が保有する能力が高い・低いという以前に、企業側が期待する
「コミュニケーション」の打ち出し方に問題があると言えます。企業によって
「コミュニケーション」の捉え方は異なります。傾聴を重視する企業もあれば、
言語以外の態度・姿勢を重視する企業、プレゼンテーションスキルを重視する
企業等様々です。また、同じ企業内においても選考が進むにつれ、重視するコ
ミュニケーション能力?が異なることもあったりします。

 コミュニケーション能力に限ったことではありませんが、能力が低いと評価
する前に、もっと要求するものを具体的に提示する必要があると言えます。採
用だけでなく、育成の場面でも同様ですが、「ものさし」が共有されてなけれ
ば、いつまでたっても採用・育成が計画的にできない(偶然できることはあり
ますが…)と言えます。

 使用頻度が高い言葉であればあるほど、できるだけその言葉を使わずに、異
なる表現を考えることも必要です。意思疎通が上手くできていないという組織
においては、使用される言葉(単語)のレベルから見直すことで活性化のきっ
かけになります。

 皆さんの職場・組織において「コミュニケーション能力」を異なる定義づけ
をすると、どう変わりますか?


             (2011/01/31 人材開発メールニュース第615号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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