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変革の鍵は“足りてない”
 本年最初のワンポイントアドバイスです。
 本年もよろしくお願い申し上げます。

 毎年、年末・年始にかけて挨拶回りも含め、経営者の方々から、企業・組織
の課題を伺う機会が増えます。この年末・年始に聴いた言葉では「変えたい」
というフレーズが多かったような気がします。「変えたい・変革が必要だ」と
考えながらも、現場ではなかなか進まないという感じでしょうか。

 変化が進まないという度合いに関しては様々ですが、中堅・中小企業におい
て変化が進み難い組織には、共通している点があります。それは、同じタイプ
の管理者が多い、似たようなマネジメントスタイル、リーダーシップスタイル
を取る管理者が多いと言う点です。

 同質性が高い場合、目標ややるべき事が明確な場面では、スピード感を持っ
て取り組むと言うメリットがあります。しかし、その一方で目標ややるべき事、
戦略や戦術そのものを検討する、再構築するという場面においては、発案され
るアイデアが限定される傾向が強いと言えます。業務を遂行する場面では強み
を発揮しますが、業務を組み立てる場面においては選択肢が限定される傾向が
強くなります。

 前述のトップから漏れてくる「変えたい」という言葉は、既存の方法・オペ
レーションに行き詰まりを感じ、新たな方法を模索したい、実行していきたい
という現われだと言えます。ただ単に目標が達成できていないと言うよりも、
進めべき道や進み方も再検討・再構築したいという意味合いが強いのではない
でしょうか。残念ながらそういった場面では、マネジメント・リーダーシップ
の同質性がマイナスの影響を与えることもあります。

 上手く進まない、ぎくしゃくした現場では、「誰が悪い、何が悪い」と言う
会話が多いと言われます。誰が悪い、何が悪いという議論ではなく、「何かが
足りていない」と捉えなければ、変化・変革は進みません。同質性を変えてい
くことも含め、足りてない何かをどう調達するかが、人材開発部門・担当者の
大きな役割になると言えます。

 足りない何かを察知し、どう補うか、採用・育成・仕組みづくり、様々な方
法を駆使することが求められています。もっと言えば、察知するのも補うのも
ヒトが考動することなので、やっぱり究極はヒトですね。
 皆さんの周りでは、足りない“何か”は明らかになっていますか?


             (2011/01/17 人材開発メールニュース第613号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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