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学生のストレス耐性
 明けましておめでとうございます。
 めでたく新年を迎えられました。ゆっくりとお休みできましたでしょうか。
 本年も変わらぬご愛顧賜りますようよろしくお願いいたします。

 早速、慌ただしく本題に入っていこうと思う。昨年10月くらいから某団体の
採用面接官養成セミナーの講師を務め、数多くの採用担当者と接触できる機会
が増えている。
 面接スキル向上の本題に入る前に、受講生同士、受講生と私といった関係で
採用にまつわる意見・情報交流をする時間を持っている。さすが、第一線ばり
ばりの採用担当者でもあり、他社多様な面白く切実な情報が飛び交う。

 某外食系企業の担当者は、関西地区での企業説明会のドタキャンの多さを嘆
き、関西地区大学ドタキャン率ベスト10なるランキングをつけているのを見せ
てくれた。また、某ソフトウエア会社は、面接での自己PRを聞かない(つまら
ないので)ことによる学生からのクレーム(せっかく用意してきたのだから言
わせろ!)の多さに辟易…と、参加者が共鳴・納得できる話題を提供してくれ
て盛り上がる。数多くの意見、情報が飛び交うのだが、総じて共通するのは、
男子学生の「草食系」ぶりであり、口を揃えて「肉系はどこにいるのか」「肉
食系は絶滅したのか」と無い物ねだりをする。今や、大半の男子学生にバイタ
リティとか活力などの言葉は死語に近い。加えて、ゆとり世代への不満−学力・
知力の低下、競争心の衰弱に恐れおののく。

 そんな中、顕著に出てきたのが、学生の「ストレス耐性」を見極める方法で
あり、多くの担当者から失敗例や後悔する話が聞こえてくる。参加企業の、少
なくとも半数がストレス耐性を見るための適性検査の変更もしくは追加を検討
しているという。

 このところ学生と模擬面接をしていると、旧来からの「コツコツ努力」「努
力家」「(低い)目標達成行動」などと並んで、「前向き」「我慢・忍耐強い」
をアピールする学生が増えていることに気づく。それもアルバイトやサークル
で失敗や障害に突き当たり、一度は辞めようと思ったが踏みとどまって現在や
っているという説明が圧倒的に多い。「一度はつまずいた(いやになった)が、
前向きにやった」の論調が一番多い。但し、つまずきの原因は自分のミス、客
に不遜な態度をとる、物覚えが悪い、(叱られた場合は)時間や規則にルーズ、
マニュアル無視など、「それが壁か?」レベルが大半で、就職してからの壁の
高さに立ち尽くすことは目に見える。

 それを乗り越えたといっても…そもそも本当に前向きな人間は「辞めよう」
とは思わないものである。それだけでストレス耐性の弱さが伝わってくる。


             (2011/01/11 人材開発メールニュース第612号掲載)


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