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年末の一風景…2011年・手帳考(1)
 今年も早いもので、もう12月。先生も走り回る時期になってきた。ボーナス
にほくほく顔の人も、慌ただしい毎日だと思う。

 12月は丁度、来年用の手帳を買い替える時期でもあり、書店や文具店の店頭
には所狭しと手帳がならんでいる。ご存じ、能率手帳や高橋書店の手帳シリー
ズ、システム手帳のバラエティに富んだリファイルの数々、そして、手帳界?
のヒット商品『ほぼ日手帳』、風水に、開運手帳、タレント高田純次さんの適
当さが身に付くという『適当手帳』、夢実現手帳に、超整理手帳、7つの習慣
のフランクリン・プランナー…まさに、百花繚乱である。加えて、9月から始
まる手帳、18ヶ月手帳…目先も変わる。

 また、手帳の使い方を解説する公式ガイドブックも出版されており、『ほぼ
日手帳公式ガイドブック』『モレスキン「伝説のノート」活用術』などが代表
例だ。

 私は、タイムマネジメント、時間管理をテーマにした研修を数多く手がけて
おり、その中で現在の手帳の活用状況の確認や今後に向けて再検討するセッシ
ョンを実施している。もっとも手帳だけをとってみると、旧来型の手帳やシス
テム手帳だけでなく、最近は、携帯電話でスケジュール管理をしている人もい
れば、自社システム上のスケジューラーで済ましている人も多く、手帳やスケ
ジュール帳が主流でないことがわかる。受講生の2−3割は手帳を所持していな
い。『ほぼ日手帳』が、仕事やスケジュールの管理、打ち合わせ事項の備忘録
としての使用が目的でないことでもわかるように、日記や自己洞察ツール的な
意味合いでもあると思うと、手帳の使い方も様々である。

 私自身は、手帳は、入ってくる用件や日程の備忘録、記録ツールではなくて、
積極的に時間を管理するツールであり、持ち時間となすべきタスクの関係を把
握して、効率よく時間を使いこなすための強力なツールと考えている。従って、
ただ漫然と手帳を使っていることは疑問を感じる。

 もちろん、手帳を変えたからといって仕事のやり方やスケジュールの組み方
を変えない限り難しいとは思うが、時間管理の下手な人、仕事の効率が悪い人
は手帳そのものの買い替えを検討する(書き方も変わる、書く内容が変わる、
時間の捉え方が変わる、情報が集約できる…など)ことの効果が期待できるの
で、手帳の見直しをお勧めしている。

 折しも、大型書店・文具店に行けば、豊富な手帳を目に、手にすることがで
きる。あまり、回りの声や「売れている」ということに振り回されず、来年の
ための自分にとってのベターな手帳を発見してみることである。


             (2010/12/06 人材開発メールニュース第608号掲載)


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