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2012年卒就職活動がスタートして−(2)
 先日、大学の就業力・キャリア教育というテーマでセミナーを担当させてい
ただきました。日頃はどちらかと言えば、企業(採用)側で仕事をすることが
多いため、セミナーの準備を通して、改めて学校側・就職支援側の状況を学ぶ
良い機会になりました。

 就職を取り巻く環境については、色々なことが言われておりますが、人口が
減少していく社会においては、ただ単に就職率が良い・悪いということではな
く、国家や地域を取り巻く大きな課題になっているように思われます。

 少し前の人材開発ニュースでも取り上げましたが、毎日コミュケーションズ
の「若手社会人と内定学生の仕事に関する意識調査」によると、“愛社精神”
や“働くことに対するモチベーション”が内定段階では高いが、若手社員にな
ると大きく下がるという結果が発表されていました。
 <参考>
 株式会社 毎日コミュニケーションズ
 『「若手社会人」と「内定学生」の仕事に関する意識調査』結果を発表
  http://www.mycom.co.jp/news/2010/10/post_91.html

 今に限ったことではなく、内定段階の「理想・憧れ?」と入社後の「現実」
のギャップは、あって当然だと言う意見もあります。しかし、極端に下がりす
ぎることを黙認していいとは思えません。ギャップと言うと、採用側の責任?
と考えがちですが、実際は、企業・学生・学校全てに責任があると言えます。

 企業という視点で考えると、入社後にギャップが生じるような採用活動をし
ているのかもしれません。学生と言う視点で考えると、同じくギャップが生じ
るような就職活動をしているのかもしれません。学校という視点で考えると、
同じくギャップが生じるような就職支援をしているのかもしれません。

 ギャップが当たり前でなく、ギャップが大きく生じているという問題に目を
向け、三者(企業・学生・学校)が連携を図るべき時が来ているようにも感じ
ます。ノウハウ本に見られるような、採用する企業と採用される学生が、対立
的な構造で、それぞれ対策を考えると言ったところに資源が投資されるのでは
なく、もっと大きな視点が必要になっているのではないでしょうか。


             (2010/11/29 人材開発メールニュース第607号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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