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2012年卒就職活動がスタートして
 いよいよ2012年卒の新卒採用が本格的にスタートしました。各地の合同説明
会の盛況振りがニュースで伝わってきます。個人的には、もっと学生らしく、
学生としての時間をたくさん使った方がいいのでは…と思いますが、厳しい環
境の真っ只中にいる人は、そういう感覚は持ち難いのも理解できます。
 また先日、厚生労働省・文部科学省から平成22年10月1日現在の大卒者内定
率が57.6%と発表されました。「就職氷河期」と言われた03年(60.2%)を下
回り、調査を始めた96年以降最低を更新したというニュースは、予想はしてい
たとは言え、少しショックでした。

 最近は新卒一括採用、早期化(長期化)に関する話題も増えています。少し
ずつではありますが、採用活動を遅らせるような動きも出ているようです。勿
論、採用活動を遅くすることで、全てが解決されるわけではありませんが、雇
用については、もっと様々な議論があってもいいのではないでしょうか。

 実際、就職活動をしている学生は、自分の将来を考える良い機会だと前向き
に受け止める人もいれば、一方で長期化する就職活動の中で、どんどん自信や
意欲を失いメンタル的な問題を抱える人も増えています。将来を考えれば考え
るほど、メンタルが不調になってしまう社会は、やはりどこか機能不全を起こ
している印象を受けます。

 ここ数日たまたま就職活動に突入した学生の方々と話す機会がありました。
それぞれ情報収集に懸命に取り組んでいるようでしたが、もっと自分の感覚も
大事にして欲しいという印象を受けました。勿論、幅広く情報を収集し、他人
の話をしっかり聴く事も大切です。しかし、最終的に集めた情報をどう処理す
るかは自分次第です。誰かが「あの企業はいいよ。」と言った話は、貴重な情
報かもしれませんが、それは話をしてくれた人の価値観に照らし合わせた“良
い”Goodであり、自分にとってGoodなのかは、わかりません。誰かの評価を鵜
呑みにするだけでなく、自分の価値観・感覚で判断することも必要です。

 いろんな人が「良い会社」で働きたいと思うのは当然のことですが、新卒の
就職活動だけでなく、この先ずっと自分にとっての良い(Good)については、
問いかけて欲しいですね。良い会社・良い仕事・良い環境、様々な捉え方があ
ります。時には、回り道や獣道?もあるかもしれませんが、探し続けることで、
更に見えてきたり、深まったり、変化したり、そういうプロセスを繰り返すこ
とで、少し自分が求めているものに近づけるのではないでしょうか。

 終わりは無い感じですが、自らのキャリアを考えるプロセスを通じて、変化
に対応・適応できる力を磨いていくことは、これから益々必要ですね。


             (2010/11/22 人材開発メールニュース第606号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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