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仕事と作業
 「仕事」と「作業」という言葉を聞いて、どのような印象を持たれますか?
色々な考え方があると思いますが、仕事>作業、仕事は、目標・目的を達成す
るために手段・方法を自ら考え主体的に実行することで、作業は、言われた通
り・決められた通りにやること…そういうイメージが多いのではないでしょう
か。もう少し簡潔に言えば、仕事は自ら考え創意工夫すること、作業は誰かに
指示されてやること、そんな感じでしょうか。

 新人や若手社員の研修などの場面で、作業には正解があるが、仕事には正解
は無いという話をしています。仕事は、自ら問題を見つけ出し、その解を求め
ていくことだと(個人的には)考えています。従って、最初から誰もが納得す
るような正解があるのは仕事ではなく作業だと考えています。

 最近「答え・正解を欲しがる人」が増えていると言われています。ノウハウ・
テクニックなど、どう進めれば良いか聞いてくる人が増えているようです。学
習意欲が高いのは良いことですが、そこで語られていることは“作業”であり、
本来の“仕事”とは少し違っているような気がします。作業ができることは、
仕事をする上で必要なことですが、作業ができる=仕事ができるとは意味が違
っているように感じます。最近?の傾向として、作業と仕事が混同されること
が増えているように感じます。「自分の仕事を認めてもらえない」と言う嘆き
は、仕事ではなく作業をしているからかもしれません。または、評価する側が
仕事と作業の区別がついてないのかもしれません。

 前述の通り、仕事は最初から正解があるのではなく、自ら解を探すプロセス
だと考えると、仕事には自分(個性)が反映されてしかるべきだと思います。
折角自分を発揮する場であるのに、「問題を下さい、解き方を教えて下さい、
答えを教えて下さい」では、仕事をしているとは言えないと考えられます。

 先行きが見えない時代・不安な時代と言われていますが、先が見えなければ
見えないほど、答えがわからなければわからないほど、仕事の持つ意味は大き
くなると言えます。
 これからの組織の強さは、仕事を実践している人がどれぐらい存在するかに
よって決まるのではないでしょうか。


             (2010/04/26 人材開発メールニュース第578号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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