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目標設定が難しくなっている?
 前々回の発行で無事に550号を迎え、その後も読者の皆様から暖かい励まし
をいただきました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。

 景気の話題はうんざりな感じですが、こういう環境で目標設定が難しくなっ
たという話が増えているようです。目標管理を導入している企業も多いと思い
ますが、やはり現下の環境では目標達成することが難しくなっていたり、どの
ラインで目標を設定するか…悩まれている現場も多いようです。

 また最近、今期の目標は認識しているが、今(今週・今日)何をすべきが迷
っているという話も聞きます。目標は掲げているものの、事業環境が不確定で
到達できるかどうか予測できず、今やっていることがゴールに結びつくのかど
うかわからないという話も増えているようです。
 悩みのレベルは様々ですが、環境や景気のことを気にしなかった頃は、目標
を行動レベルに落とし込まなくても、ある程度目標が達成できていたと言うこ
となのかもしれません。

 いずれにしても、もう少し今期→今月→今週→今日とブレークダウンして、
具体的に動ける状態にしなければ、彷徨う人材が増え続け、悪循環に陥ること
は少なくありません。

 目標が行動レベルに落とし込まれていない場合は、目標設定をさらに細かく
分けていくのがセオリーです。通常目標を立てる場合は、達成するための手段
(プロセス)をいくつか設定します。例えば、営業の場合、売上目標に対して
手段(プロセス)をいくつか設定します。売上を達成するための手段(プロセ
ス)として、市場・顧客別の目標、商品・サービス別目標、新規比率や訪問・
提案件数等、プロセス目標を設定することが多いと言えます。動けない目標の
場合は、プロセス目標はとりあえず設定されているが、そこでストップしてい
ることがほとんどです。

 もう少し動きやすくするためには、さらにブレークダウンして、そこで出さ
れた手段(プロセス)を再度目標に置き換え、それを実現する手段(プロセス)
を考える必要があります。

例)目標A(売上げ)に対する手段A(提案件数)
  手段Aを目標として置き換え、目標B(提案件数)に対する手段B
  手段Bを目標として置き換え、目標Cに対する手段C…

 これを3〜5段階ぐらいまで掘り下げ、時間軸に落とし込んでいくと、やるべ
きことが、かなり見えてきます。作業的には結構大変ですが、作業を進めてい
く中で、新たな課題が見つかることもあります。“段取り八分”とよく言われ
ますが、目標設定段階である程度時間をかけた方が、やるべきことが明確にな
り、また評価し易くなるのは言うまでもありません。
 先行きが見え難い時期ほど、目指すべき目標と最初の一歩=足元をはっきり
させることが必要ではないでしょうか。


             (2009/10/19 人材開発メールニュース第552号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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