Back Number

ゆとり教育世代と人材育成
 最近、いわゆる「ゆとり教育世代」という方々が社会人になり始め、今まで
以上に?新入社員や若手の育成が難しくなったという話を立て続けに聞く機会
がありました。いつの時代でも若手の育成は難しいことですが、最近の傾向と
して「打たれ弱い」というキーワードが増えているようです。怒られること、
叱られることに慣れていないため?少し厳しい話をすると、途端に顔色が変わ
って、黙り込んでしまうようなケースも多いようです。

 また、これも良く言われることですが、「怒られる、叱られる=嫌われてい
る」と思い込む人が増えているようです。怒られる、叱られると理解する以前
に、嫌われていると感じてしまい、前述のように途端にコミュニケーションを
シャットダウンすることが増えているようです。当たり前ですが、怒る・叱る
時には、その事象があります。しかし肝心な“事象”については理解が進まず、
何か言われるのは、嫌われているから→嫌いな人から言われることは理解した
くない…という感じでしょうか。

 一見おとなしく、話をよく聞くとも言われていますが、聞いた内容を受け入
れている時とそうでない時の差も激しいようです。デジタル的と言っては語弊
があるかもしれませんが、物事には○か×しかなくて△は存在しない、Yes-No
のみで判断する、そのような雰囲気があるようです。そのため、早期に多面的
な見方や考え方(物事には必ずメリットとデメリットが存在する、答えは一つ
ではない、など)を学ばせる企業も増えているようです。

 このような話は、今の若手世代に限ったことではありませんが、やはり育成
においては、個々人が有している社会人になるまでの背景・環境も考慮する必
要があるかもしれません。どこまで相手に合わせるかは、様々な意見があるか
と思われますが、ある程度特徴は頭に入れておく必要があると言えます。

 反面、「この世代は、こういう傾向がある」と決め付けてしまうと育成・マ
ネジメントが上手く行かないのも言うまでもありません。最終的には、一人一
人に応じて…という原則に行き着きますが、難しさと可能性の両面が存在する
ことが人材育成の魅力であるとも言えます。
 皆さんの周りの新入社員・若手社員の方はいかがですか?


             (2009/07/13 人材開発メールニュース第539号掲載)
                          humanize:吉次 潤


Go to Back Number Index
Go to Top Page