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組織のメタボ化は進んでいませんか?
 業績が悪くなると、組織の体質を強化することが求められますが、最近私の
周りでは、体質を強化する以前に組織のメタボ化が進んでいる?メタボ化が進
んでいるのでは?と言う話題が増えています。

 組織・企業と言う生命体を健全に維持するためには、血液がきちんと流れて
いなければなりません。組織・企業における血流は、コミュニケーションであ
ると言えます。前述のメタボ化ではありませんが、血液がさらさらであるか、
血管がきれいであるか、要所要所で確認する必要があります。血流が正常でな
ければ、生命体の機能の一部が壊れたり、生命そのもの問題になることもあり
ます。

 血液=情報と言えますが、適切な量と質が維持されているか、特に余分なも
のは含まれていないかを確認することも必要です。言い古された表現ですが、
ITを駆使することで莫大な情報が流通するようになりました。逆に言えば、何
を拾い上げて何を捨てるかを考えなければ処理できないことも増えています。
ペーパーレス化も進んでいますが、反面ペーパーにしなければそれでいい、文
書やデータの電子化が進む中で、必要以上に情報が溜め込まれていることもあ
るようです。

 血管=情報(情報に基づく意思決定)ルートにおいては、各階層における指
示・命令系統、報告・連絡・相談の伝達ルートが適正かどうか確認することが
必要です。組織の形態は様々ですが、トップ・ミドル・現場とそれぞれ確認し
ていくと、途中で途切れているルートが存在していたり、多回線になっている
こともあります。最近は簡単に情報が一斉発信できるため、受け取る側の負荷
が想像以上に大きくなっていることもあります。多少の無駄な流れは必要だと
思われますが、伝達ルートを定期的に見直ししている組織とそうでない組織の
二極化が進んでいるのではないでしょうか。

 ビジネスの現場で、物流分野には、改善の余地やビジネスチャンスが広がっ
ていると言われます。組織においても同様で、コミュニケーションという血流
をどうするかによって、組織が大きく変わると考えられます。
 少なくとも組織のメタボ化が進まないように、定期的に検診することが必要
です。現時点での血流はどうか、組織の大きさや成長に応じた血流をどう確保
するか、人事(人材開発)部門・担当者が中心となって取り組むべき大きな課
題であると言えます。


             (2009/05/18 人材開発メールニュース第531号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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