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新就職氷河期時代の到来
 皆さん、明けましておめでとうございます。本年も、当コラムにお付き合い
いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 昨年一年間は、前半と後半で、経済、社会、経営環境が激変した年といえる。
昨年一年間が、2-3年分のボリュームと変化があったような気がしてならない。
そのくらい、変化が速く大きかったのだろう。

 そうした環境の変化、いわば日本は不況期に突入したといえるが、その変化
は私にとって無縁かというとそんなことはなく、しがない講師業の身にも現実
に差し迫ってきている。激変、激減まではいかなくとも、私の2009年の仕事は
視界不良、少々深い霧の中に入り込んできている気がする。

 それは、就活を控える大学生も同様で、特に、ここ3-4年、トヨタを始めと
する自動車関連の製造業の活況の中、わが世の春を謳歌し、引く手あまたの売
り手市場の就活に甘んじてきた東海地区の学生にとって、激変はこたえている
ようである。

 どんな時代であっても、相変わらずやる気も見えず、ダラダラとしている学
生も多くいる反面、こちらの脅し文句、危機感の醸成に呼応するように、昨年
11月当たりから真剣に就活の準備をしはじめた学生が顕著に見られるようにな
った。年末に吉例の模擬面接合宿を実施したが、100名の定員は11月中旬には
満杯、キャンセル待ちが続出する事態になり、急遽、年明け2度目の合宿を組
むも即満杯。全学で500人を切る3年生の中で、200人が合宿に参加するという
状況は、喜ぶべきか、哀しむべきか、判断に迷うが、学生の意気込みは買える。

 一方で、大学に来る求人は、現4年生への追加募集は10月以降パタリと止ま
り、3年生への求人の勢いは大きく減退しているし、昨年比して学内ガイダンス
参加企業も減少しているし、辞退企業も日増しに相次いでいる。

 私は先の平成不況、氷河期就職時代にも学生への就活指導をしているが、先
の見えなさ、得体の知れない恐怖感、焦燥感は、先の状況と比べものにならな
い気がする。“新就職氷河期”時代の到来ともいえる。自分の力で打破するこ
とのできない就活の支援だからこそ、言葉では表せないほどの怖さを感じるの
だが、また、先の失われた10年ではないが、また新たなロスジェネ世代を生ん
でしまう恐怖も感じてしまう。とらえどころのない不安がよぎる。

 とはいうものの、どのような状況に陥ろうとも、打開に向けてもがいていか
なければならない。自らも…であるが、取りあえず目の前の学生たちの就活支
援に集中しいくことを心に誓う、年の初めである。


             (2009/01/12 人材開発メールニュース第514号掲載)


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