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知ってることを実現する試みを
 新年あけましておめでとうございます。
 今年最初のワンポイントアドバイスです。
 本年もよろしくお願い申し上げます。

 昨年後半から、経営を取り巻く環境は激変していると言われています。実際
何処に行っても、厳しい環境になったという話題が多いのは事実です。そうい
う話題の背景には、「自分(自社)は、何も変わっていないのに、環境が大き
く変わった」という感覚があるのではないでしょうか。

 いつの時代でも共通することですが、特に変化が激しい場面においては、環
境をしっかり分析することも大事ですが、自分(自社)を分析することも必要
です。当たり前の話ですが、変化する環境が問題ではなく、変化する環境に適
応できていない自分が存在するために、問題・課題が発生します。環境は、ほ
とんどコントロールできませんが、自分自身はコントロールすることが可能で
す。環境変化に振り回されて、コントロールすべき自分自身を見失うと後手後
手に回らざるを得ません。

 仕事の場面においても、変化が大きくなる程、様々な問題・課題と言われる
「壁」が発生します。これも単純なことですが、目の前に壁が現れた時の対処
の方向性としては、壁の大小にかかわらず、「打ち破るか」「引き返すか」の
いずれかになります。厳しいと言われる環境においては、資源が限られている
こともあり、往々にして引き返すと選択肢が増える傾向が強まります。ただ実
際は、資源(リソース)が不足しているというよりも、マインドが不足してい
ることが多いような気もしますが…。

 企業・職場毎に取り巻く環境は異なりますが、現在のような環境では新しい
試みがやり難くなることも多いと言わざるを得ません。しかし、少なくとも、
壁に立ち向かおうとする人のマインドが冷え込むことは回避しなければなりま
せん。飛び越えようとする壁がある時に、物理的な壁の大きさよりも、心理的
な壁の大きさが、飛び越える際の障害になることを我々は知っています。また、
実力が発揮しやすい環境とそうでない環境があることも我々は知っています。

 現在の経営環境は、これまでやってきたことの歪が現れていると考えられま
す。そういう意味では、全く知らないことが起こっているわけではなく、発生
したら困ることが発生しているとも考えられます。変化が激しい時代ではあり
ますが、壁を打破するためには、何か新しい知識を身につけるよりも、知って
る(わかっている)ことをできるようにする、知ってる(わかっている)こと
を実現しようとする人・組織が求められているように思われます。
 知ってる(わかっている)ことができる、知ってる(わかっている)ことを
実現する人材開発に取り組んで行きたいですね。


             (2009/01/05 人材開発メールニュース第513号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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