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先行きが見えない時代と『北風と太陽』
 経営を取り巻く環境は益々迷走している?ような印象を受けます。商談の場
面でもそうですが、どちらかと言えば暗いニュースや話題が増えています。

 暗い話題が多い中、最近2人の元気の良い20代の方と話す機会がありました。
2人とも明るく、ポジティブな意見が多かったため、時間を気にせず話し込ん
でしまいました。仕事や会社の話題など、様々な話をしましたが、それぞれに
最近の景気について訊ねたところ、面白い答えが返ってきました。
 A君は、「仕方ないですねー、自分の力では変えられませんから…。」B君
にいたっては、「景気が悪いって言われてますけど、あんまり興味ないんです
よね。何が悪いんですかね?」と答えてくれました。
 二人の答えを聞いていると、「気にしない」や「知らない」ことが、ある意
味“強み”になっていると感じました。

 「気にしない」「知らない」ことが良いと言ってるわけではありませんが、
彼らに共通するのは、周囲に惑わされることなく、目の前にある今やるべきこ
と、やりたいことに真剣に取り組んでいる姿が伝わってくることです。とにか
く明るいので、ビジネスとは関係ない話も含め、会話が盛り上がります。彼ら
の話を聞いていると、「気持ちよさ」を感じました。

 「気持ちよさ」を感じる、感じさせるということは、大事なことです。実際
にビジネスの場面において提供しているのは、製品・商品・サービス等になり
ます。ニーズが多様化する中で、ニーズに合致した製品・商品・サービス等を
専門的に?提供することは大切なことですが、もっと大事なことは、「気持ち
よく」提供すること、顧客(ユーザー)に「気持ちよく」利用してもらうこと
だと言えます。

 先行きが見えない環境では、顧客(ユーザー)も慎重になります。「製品・
商品・サービス等をどう提供するか」というアプローチだけでなく、「もう少
し気持ちよく利用してもらうためにはどうすれば良いか」というアプローチも
必要だと言えます。

 イソップ寓話の『北風と太陽』ではありませんが、自社・自分のビジネスを
見直す際に「北風」的?「太陽」的?…そういう視点で考える余裕も必要では
ないでしょうか。


             (2008/11/24 人材開発メールニュース第508号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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