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2010年卒・就職戦線スタート
 今年も恒例の大学での就職指導が始まった。非常勤講師みたいな待遇の生活
も少々慣れっこになってしまった自分が怖い。今年も出勤簿にハンコを押して、
出席カード片手に授業に臨む…複雑な心境です。

 ところで、ここ数年、就職温暖化現象だ、バブル就職・採用の再来だ、内定
長者・内定ホルダー(複数内定を持っている学生のことです。)の出現多数!
と、強いフォローウイングでわが世の春を謳歌し絶好調だった学生の就職戦線
も厳しくなってきた。サブプライムだ、原料・原油・資源高、円高・株安、世
界大恐慌の前夜か…と、これだけ環境が激変すれば影響しないわけがない。

 10月に発表された日本経済新聞社の09年内定状況調査での内定者状況、そし
て10年度の採用計画…どれも退潮傾向は鮮明である。

 そんな状況を反映してか、大学の就職課が学生に発破をかけていることもあ
って、今年の私の授業は受講生で溢れている。単位につながるので履修登録を
しなければならないが、過去最高の履修者数、その学年に占める履修比率も非
常に高い。選択科目の履修率としては今年の後学期では最高だという。お陰で、
毎回課すレポートの添削数が膨大になり、かえって負担は増大した。うれしい
悲鳴としておこう。

 まだ授業も始まったばかりで何ともいえないが、今年の学生は異変が多い。
まず、私語をする学生がほとんどいない、寝ている奴はごろごろいるが、話し
声一つ聞こえない静かな授業が続いている。また、始業時間ピタリに大半の学
生が揃っている。これは初回の授業で、授業が始まった時点で入室を認めない、
途中退室も特段の事情がなければ認めない、出ていけば、遅刻すれば、欠席扱
いにすることを告げたら、授業5分前には95%の学生が席に着いている、その
光景を見て、一瞬、入る教室を間違えたかと思い、帰りかけて学生に呼び止め
られたほどである。その延長戦なのか、2時限続けて授業はあるが、休憩時間
もさっさと帰ってきて席に着く。昨年は60分休憩して、残り30分で戻ってきた
学生もいたというのに…

 この傾向は、1-2年生時に出欠に厳しい授業があり、その対応として身に付
いたらしいのだが、あまり生真面目に授業に臨まれるとこちらの調子がおかし
くなる。やっぱり、学生は不真面目とはいわないが、ノーテンキ、自由奔放、
マイペース…そんな状態が望ましいと思うのはわがままだろうか。


             (2008/11/17 人材開発メールニュース第507号掲載)


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