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見方を増やす・変える
 景気の不透明感に伴い、業績(業績の見通し)が悪くなる企業も増えていま
す。業績に限ったことではありませんが、悪くなるスピードが速い企業・組織
ほど、そこで働く人々の価値観・考え方が急激に収斂していくような印象を受
けます。簡単に言えば、アイデアが減っていく、しぼんでいく企業・組織は、
やはり業績悪化のスピードが速い印象を受けます。

 当たり前の話ですが、経営環境は絶えず変化します。思いもよらず?追い風
が吹くこともあれば、逆風になることもあります。大事なことは、悪い流れ・
悪循環に陥った時に、いかにその流れを断ち切るかということだと言えます。

 悪い流れ?を断ち切るためには、「見方を変える」ことも必要です。例えば、
既存事業の市場が縮小傾向にあるということは、新しい市場に本気でチャレン
ジできるチャンスであるかもしれません。リピートが30%ダウンしたと嘆く前
に、70%はリピートしていただいていることにも目を向ける必要があるかもし
れません。

 悲観的(楽観的)な発想・発言は一種伝染病のような感じで、次から次へと
伝播していきます。いずれにしても見方が複数あった方が、冷静に市場を分析
できると言えます。しかし実際には、前述の通り、悪循環に陥る企業・組織ほ
ど、見方が偏ったり、少なくなったりする傾向が多い印象を受けます。

 複数の見方をビジネスに取り入れていくためには、2つの視点が必要になり
ます。一つは個人(個々)の視点で、できるだけ見方を増やす、見方を変える
ことを意識的に行うことです。もう一つは受け皿=企業・組織の視点で、やは
り異なる見方・考え方を受容する環境がなければ、見方を増やすことや変える
ことに結びつかないと言えます。

 あえて、いつもと違う(例えば、反対)の見方で考える…そうすることで、
新しいアイデアが出てくることもあります。方法・プロセスを考える際には、
質も勿論大事ですが、煮詰まった場合には、量を増やすことも重要です。
 悪い流れは、良い流れを創造するための契機であるかもしれません。読者の
皆さんは、どんな見方をされていますか?


             (2008/07/28 人材開発メールニュース第492号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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