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今年の世相を表す言葉は…
 読者の皆様、明けましておめでとうございます。
 本年も「人材開発ネット★情報BOX」ならびに当コラムをご愛顧いただき
ますようお願い申し上げます。というよりも、相も変わらない、たわいもない
独り言にお付き合いいただければ幸いです。

 年明け早々、後ろ向きな昨年の話をして恐縮だが、昨年の世相を表す言葉は
「偽」であった。食品を始め、住宅建材、マンション…数多くのものに不当表
示、偽装表示が発覚して大きくニュースなどに取り上げられた。

 食品だけでなく、政治の場でも偽装があった。「美しい国造り」とのたまっ
た人は本当に美しくない姿で逃げてしまった。消えた年金の「最後の一人、一
円まで」の公約も消えてしまった。まさに偽装列島、偽装の蔓延した社会とい
える。

 すべての会社ではないが、不祥事に至る会社はオーナー企業が多いのも特徴
だ。私はサラリーマンとして大手企業から社長が天下ってくるサラリーマン社
長の会社と強烈な個性をもつオーナー会社と2社経験しているので、オーナー
会社の体質はよくわかる。オーナー会社が悪いというつもりはないが、社風、
体質に影響していることは確かだろう。

 体質といえば、昨年の流行語大賞、「消えた年金」で厚生労働大臣が受賞し
た。本来はミスター年金と言われる議員が受賞するのが当然だし、社水保険庁
の職員全員に贈る方がふさわしいのではないか。わざわざ政権党の大臣に贈る
のは政権党に阿る流行語大賞選定の企業の体質に見えてくるから不思議だ。さ
らに考えれば、野党議員に賞をとらせるよりも大臣にとらせる方が世論を緩和
できるとの深謀遠慮が働いたともいえる。
 また、メガ牛丼ならぬテラ牛丼を動画サイトで流したアルバイトを社内規定
に従って処分したと発表した牛丼チェーン、どんな処分をしたのか、どこの店
だったかも発表されていない。そもそもテラ牛丼を作って処分する社内規定と
は何か?社会的に大きな影響を与えていながら、偽装でも何でもないので「社
内での対応」で終焉させてしまう、ここにもこの会社の体質が見え隠れする。
 大阪の高級料亭の贈答品などには興味も縁もないのが救いだし、白い恋人も
赤福も一生買うつもりはないから関係ないが、マクドナルドや居酒屋チェーン
での偽装は、自らの飲食生活に直結するので切実な問題に浮上する。頼むから
食べるものを少なくしないでくれと声を大にして言いたい。

 今年の世相を表す言葉は、「真」「誠」といったものになることを心から願
うばかりだ。


             (2008/01/07 人材開発メールニュース第464号掲載)


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