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わかりませんとわかりました
 サービス・接遇の現場において、最も悪い対応は、簡単に「わかりません」
と言ってしまうことです。当たり前ですが、サービス・接遇に限らず、対応が
悪いと感じる職場においては「わかりません」という言葉が、無意識のうちに
飛び交っているような感じです。実際読者の皆さんも、何か情報が欲しい時、
教えて欲しい時、特に急いでいる場合に、あっさり「わかりません」と言われ、
がっくりしたり、カチンときたことはあるのではないでしょうか。

 「わかりません」も様々です。一生懸命考えたが、どうしてもわからず「わ
かりません」と言うこともあれば、何も考えず(わかろうともせず)「わかり
ません」と言っていることもあります。ただし、サービスの現場では、自分が
どういう気持ちで言ったかではなく、相手がどう捉えたかによって評価は異な
ってしまいます。

 「わかりません」を使ってはいけないということではなく、その言葉の後が、
大事になります。自分が「わからないから」その後どういう方法で応えるかを
明確にすることがポイントです。お客様が求めているのは、情報です。誰が答
えるかと言うことよりも、自分の必要な情報が入手できるかどうかで、喜んだ
り、逆に怒ったりしていると言えます。

 対応が良いと感じる職場では、「わかりません(わかりかねます)」という
形で会話が終了することがありません。「わかりません(わかりかねます)の
で…」と、必ず何らかの説明が入ります。当然教育されていることもあります
が、教育だけでなく風土・文化的なものが根付いているのか、その辺りがしっ
かりしています(逆に言えば「わかりません」が連発される職場も、風土・文
化でしょうか…?)。

 さらに対応の良い職場においては、応える前にお客様が言っていること、望
んでいることに対し、承認の態度を示すことが徹底されています。承認という
ことでは、「わかりました」が代表的な言葉ですが、お客様の言葉をしっかり
と聴いた上で、「〜ということですね。わかりました。」という感じで会話が
展開されます。

 CS(顧客満足)という言葉に代表されるように対応のレベルアップは、サ
ービスの現場に限らず注目されています。CSを高めるために、新たなサービ
スを考えることも必要ですが、もう少し身近なレベルで、日頃から当たり前に
使用する言葉「わかりません」「わかりました」の使い方を確認するだけでも、
かなり違うように思われます。皆さんの周りでは、いかがですか?


             (2007/11/12 人材開発メールニュース第457号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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