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選挙に行こう
 「選挙に行こう」−安っぽい投票率アップのためのキャンペーンのキャッチ
フレーズではないが、今年の参議院選挙ほど国民は、投票行動を起こすべき選
挙ではないかと思う。

 争点の一つにある「年金」問題への怒り爆発ということだけではなく、安倍
内閣という久々に陰湿とした政権をなんとか制御するためにも選挙での投票が
必要ということだ。良くも悪くも小泉政権は明快さやきっぱり感があった。し
かし、この政権は内閣発足からお友達内閣で仲良し官邸団であり、論功行賞組
閣と言われ「しょうがない」と発言した大臣も含めて2人辞任、1人が自殺、
閣僚以外にも税調会長が辞任した。そしてもう一人、疑惑が浮き上がってきて
際限がない。また、罷免、更迭といった手段を取らずにすべて密室で処理され
る。果ては、教育再生会議の主要メンバーがその地位を利用して立候補する。

 年金問題にしても、政府は以前から問題を把握していながら、野党が言い出
すまで問題を顕在化させない。それ以上に国民の関心が低い(安倍総理には関
心が高い)問題に懸命に取り組み、国民の関心事は常に後手後手、その場しの
ぎの対応になる。そもそも衆院で連立与党は圧倒的多数の議席を持ち、参院で
も過半数を制していながら強行採決の連発、勢い込む野党を軽くいなして余裕
綽々の横綱相撲でじっくりと論戦するのが本来の姿ではないか。

 「美しい国」を目指すといいながら、抽象度の高さで煙に巻き、やっている
行動は美しいはずはなく、醜態さえ感じるこの政権は本当に怖い。挙げ句の果
ては、その当時の厚生大臣に責任をかぶせようと公の場で声高に叫んだ総理大
臣の姿はおぞましさと哀れささえ漂う。それを言う前に、その当時の首相、歴
代の厚生大臣・社保庁長官、在任期間の長い厚生大臣…振り返るべきものはた
くさんある。

 「選挙に行こう」この選挙は政権選択選挙でなくとも大事な選挙だ。何も変
わらないから「しょうがない」の考えは捨てようではないか。


             (2007/07/16 人材開発メールニュース第441号掲載)


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