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若手社員が描く仕事の調子の波?
 最近、新入社員のフォロー研修や入社3年目までの若手社員の研修を実施す
る機会が増えています。研修という場面で、一旦冷静に自分を見つめなおし、
これまでのことを振り返り、再度自分の役割を整理し、今後の目標を作る形で
実施するケースが多い状況です。

 新入社員のフォローも含め、若手社員の研修を行う場合、よく使う方法とし
て、横軸に時間をとり、縦軸に仕事の調子?をフリーハンドで曲線で描いても
らうことを実施します。数ヶ月の期間であっても、必ず調子が良い時期(波が
高い時期)、調子が悪い時期(波が低い時期)が存在します。波が高い時期、
低い時期にどんな出来事があったのか、どんな気持ちだったのか、また波が低
→高、高→低に変換される時に、どんな契機があったのかを、それぞれに発表
してもらう方法で実施しています。

 短い期間でもかなり個人差があり、色々な曲線を描いてくれます。実際発表
の場面で、波の高低がはっきりしている人は、波が高い(低い)時期の出来事
や気持ち、転換の契機などについてもしっかり発表してくれます。内容はそれ
ぞれですが、波の高低をはっきり書いてくれる人材は心配しなくてもいいよう
に思われます。
 逆に、少し不安になるのが、波の高低の幅が少ない人材です。一見、波が少
なく安定しているように思えるかもしれませんが、何に面白みや興味を抱き、
何に不安・不満を感じているのか、仕事の中で実感することが少ないのはない
でしょうか?また、仕事と自分(自我)が一致していない、仕事に集中できて
いないような印象を受けることもあります。
 人材に限ったことではありませんが、やはり「面白くもつまらなくも無い=
問題が無い」と思っているのが、一番注意すべき点ではないかと思われます。

 また、このような研修を実施した場合、私はできるだけ職場にフィードバッ
クするようにします。例えば、受講者が書いた曲線を集めて、それぞれの管理
者に見せ、どれが自分の部下が描いた曲線か当てていただく方法をとることも
あります。管理者の方に、自分の部下の波の高低を把握しているか、確認する
わけですが、部下が書いた曲線と管理者の認識が大きく異なるケースもありま
す。また、前述の波の幅が少ない曲線を描いた人材を抱える管理者は、認識が
ズレているケースが多いのも一つの特徴です。その場合は、早めに周り(人事
部門など)からフォローする必要もあるように思われます。

 皆さんの周りの若手社員はどんな曲線を描くと思いますか?


             (2007/06/25 人材開発メールニュース第438号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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