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今はどんな時代ですか?
「今はどんな時代ですか?」と聞かれると皆さんはどう答えますか?

 研修の場面で、この質問を投げかけると様々な回答が返ってきます。新入社
員、中堅社員、管理職、年代・ポジションなどの括りは関係なく、様々な回答
が返ってきます。あえて似たような回答が出てくる傾向を分析すると、年代毎
と言うよりも企業毎、部門(組織)毎に似たような回答が戻ってくるような感
じです。この企業では、こういう回答が多い、この部門ではこういう回答が多
い…そんな感じでしょうか。
 中には、新入社員や若手の社員は様々な回答が返ってくるものの、管理職層
になると同じような回答が増えてくる企業(組織)もあります。「今はどんな
時代?=今をどう捉えるか?」ということにも組織文化・風土というものが、
色濃く反映されているように感じます。

 どんな回答が良いと言う訳ではありませんが、研修という場面において、活
発な議論が行われる企業(組織)は、多面的な捉え方をしている人が多い印象
を受けます。「今」の捉え方が、均一的・均質的でなく、様々な捉え方・意見
が多い印象を受けます。ポジティブ、ネガティブ、いずれかに偏るわけでもな
く、今の時代に対して「こういう部分は良い面だけど、こういう部分は心配・
不安だよね…」そんな会話が飛び交う企業(組織)は、研修という場面を見て
いても活発な議論が展開されています。全てという訳では無いと思いますが、
日頃の社内会議でも同じような感じではないかと思うことがあります。

 先日、ある企業の経営者から、次のような嘆きを聞くことがありました。曰
く、「景気が回復基調にあり、ビジネスチャンスが拡がっているにものの、現
場から出されるアイデアが少ない、結局自分が全部考えなければならない…」
 当たり前ですが、人数が多い企業(組織)の方が、より多くの意見・アイデ
アが出てくる可能性が高いと言えます。人数の少ない企業(組織)が、より多
くのアイデア出すためには、一人が一つのアイデアでなく複数のアイデアを出
す必要があります。逆に、人数が多い企業(組織)でも、メンバーが均一的・
均質的なアイデアに偏っていては、アイデアの創出という面においては、人数
が多いメリットを享受できていないとも言えます。

 労働人口が減少していく中、知的生産性の重要性などが唱えられていますが、
まずは一人ひとりに多面的・複眼的な視点を持たせることが必要だと言えます。
様々なメンバーが様々な知恵を出し、創出された知恵が理念・ビジョン・方針
の下に収斂され、ビジネスの推進力となっていく…そのような企業(組織)が
今後益々成長していくのではないでしょうか。

 読者の皆さんにとって、「今はどんな時代ですか?」


             (2007/06/11 人材開発メールニュース第436号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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