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話す営業から聞く営業へ?
 最近、ある営業会社の幹部の方からお話を伺う機会がありました。昔に比べ
ると、全てというわけではありませんが、営業のスタイルが“話し”を中心と
したスタイルから“聞く”ことを中心にスタイルに変わっているということを
伺いました。

 よく言われることですが、顧客のニーズを無視して、営業トークを並べてい
くだけでは、どんなに流暢なトークを展開しても売ることはできません。顧客
のニーズをしっかりと捕まえ、問題を解決していくためには「聞く」ことが重
要になります。こういう話題は営業のトレーニングなどで取り上げられること
も多く、かなり普及しているようです。前述の幹部の方の話ではありませんが、
大きな組織であればあるほど、営業部門の教育・研修で、聞くことの重要性が
徹底され、全般的に「聞く」スタイルの営業が増えているという話でした。

 たしかに、以前に比べると品の無い?「飛び込み営業」も減ってきたような
印象を受けます。ただ反面「聞く」ことを中心とした営業を思い違いしている
人も増えているという話題もありました。
 具体的に言えば、ただ単に聞きに行く営業が増えているという内容でした。
「困ってることはありませんか?」「我が社から提案できることはありません
か?」という感じで、たしかに一方的にセールストークを行うわけではありま
せんが、顧客の状況を考えずに、質問を繰り返す営業が増えているようです。

 質問する、聞くことは、大事なことではありますが、顧客側から見れば、い
きなり訪問されて「困ってることは?」「提案できることは?」と聞かれても、
簡単に答えるわけがありません。営業側から何らかの情報提供があって、はじ
めて顧客の悩みや情報を引き出すことが可能になるのではないでしょうか?

 顧客(相手)から上手く情報を引き出すには、準備が必要になります。顧客
に対する質問を準備するだけでなく、質問に対する回答を想定して準備するこ
とが必要です。「聞く」スタイルの営業を実践していく、より高いレベルで顧
客に満足を与えるためには、営業を行う前にどれだけ準備できるかが重要であ
ると言えます。

 一方的に営業トークを繰り返すのも困りますが、いきなり質問を繰り返す営
業も困ります。皆さんの周りの営業の方々は、いかがですか?


             (2007/05/14 人材開発メールニュース第432号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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