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雑感…統一地方選挙を控えて
 新学期、新年度、新入学、新入社、新人…「新」が多く飛び交う季節がやっ
てきた。私のように身も心も頭も「古い」人間から見ると、フレッシュマンの
姿が実にまぶしい。新しい人たちが大挙して新生活をスタートする時期とはい
え、今年は07年問題、団塊の世代の方々の大量定年退職のスタートでもあり、
晴れてハッピーリタイヤして悠々自適?の生活を始める方、再雇用で後進の指
導に当たる方…ここにも新しいスタートが多々ある。

 3月下旬、某企業グループの30周年記念行事に招待されて参加してきた。
この企業グループは私がサラリーマン時代から関係をもっており、考えてみれ
ば30年のうち、18年程度お付き合いをしていただいているので感慨一入で
ある。当時から規模は大きかったが、今や、地域の大企業に成長し、サッカー、
バスケットボール、ウインタースポーツ、野球の有力なスポンサーでもあり、
地域における影響力は絶大なものである。それを裏付けるように、県知事がビ
デオで、市長は登壇して祝辞を述べる。配布された招待客一覧を見ると、政権
党の国会議員、県議会議員、市議会議員がズラリと名前を並べる。今年は地方
統一選挙の年でもあり、「立候補予定者」なる肩書きの人物も一堂に会してい
るから面白い。

 選挙といえば、日経ビジネス3月19日号「敗軍の将、兵を語る」に小嶺忠
敏氏(長崎県立国見高校前校長・前サッカー部総監督)が登場していて、私の
目には奇異に映った。そう小嶺氏は来る参議院選挙に立候補を表明している人
物だ。全国高校サッカー選手権大会21年連続出場、優勝6回の強豪校に育て
上げた実績は大いに評価できる。昨年末の大会1回戦で、初の1回線負けを喫
した件を日経ビジネス誌面で語り自らの指導論を述べるわけだが、はっきり言
って「これって選挙の事前運動じゃない?」との疑問が生じる。

 これまで選挙に落選した人や経営を失敗した人などが多く誌面に登場してき
たが、ほとんど事が起こった直後に登場してくる。昨年末の顛末であれば、1
月に誌面に登場してもおかしくない。だが、立候補を表明した後である。時期
が微妙だ。意図無くしてこんなことになるであろうか。本人が企図しなければ、
周囲の、あるいは媒体誌の深謀遠慮なのかもしれない。

 たぶん公職選挙法には抵触はしないであろうし、目くじらを立てることでも
ないのかもしれないが、巧妙さを覚えて不快な誌面を見てしまった気がしてな
らない。でも良かった。私は神奈川選挙区、小嶺氏は長崎選挙区、声も顔も見
ないで済む。それだけが救いだ。と言っている間に統一地方選挙がスタートす
る。


             (2007/04/02 人材開発メールニュース第427号掲載)


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