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決定力が問われる時代
 今年最後のワンポイント・アドバイスです。皆さんにとっては、どんな1年
だったでしょうか?

 今年もこのメールマガジンで、人材開発に関するニュースや調査を色々と取
り上げてきましたが、個人的には、トレンドが見え難くなっているように感じ
ました。例えば、経営や人材開発に関する課題調査などにおいても、何か一つ
のテーマに偏るという感じではなく、複数のテーマが甲乙つけ難いような形で
並んでいるような印象を受けました。企業側・個人側共に大きな流れがあると
いうよりも、多種多様な考え方がさらに増えているように思われます。

 現在注目を集めている「労働契約法制や労働時間法制」についても、賛否両
論が唱えられています。経営(企業)側また労働者(個人)側、いずれも、性
善説で考えるか性悪説で考えるかではありませんが、見方・捉え方で解釈が異
なるのは当然で、いずれの立場もある程度理解できると言えます。

 大きな流れと言えば、今年は新卒採用が急激に回復したと言われています。
しかし実際は、大企業と中小企業では捉え方がかなり違っています。また首都
圏と地方でも同様のことが言えます。新卒採用全てが回復しているというより
も、回復している部分と回復していない部分が両立する、格差が拡がっている
ような状況だと言えます。

 私が人材開発のお手伝いをする中でも、課題探しが多かったような印象です。
突出した課題が存在するというよりも、複数の課題が存在し優先順位を探って
いく時間が多かったような感じです。価値観の多様化が進む中で、経営また人
材開発においても、課題が見え難くなり、悪く言えば「迷える時代」であり、
良く言えば「選択肢が増えた時代」になっているように思われます。

 迷える時代、選択肢が増えた時代において、大事なことは、「決定力を持つ」
ということではないでしょうか?人材開発に限ったことではありませんが、答
えが無い時代において、信念・思想・勇気を持って決断すること=決定力を持
つことが問われているように思われます。自社独自の決定力を持つ企業、決定
力を支える人材を獲得、育成、活用できる企業が今後の成長企業になるように
思われます。皆さんの周りはいかがでしょうか?

 今年一年お付き合いいただきありがとうございました。今後ともご愛顧の程、
よろしくお願いいたします。それでは、良いお年を!


             (2006/12/25 人材開発メールニュース第414号掲載)
                         WISEPROJECT:吉次 潤


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