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Canにこだわる?Doにこだわる?
 人材開発の仕事をお手伝いする中で、様々な会議に参加させていただくこと
があります。最近は、「会議の生産性」ということにも注目が集まっています
が、やはり進め方が上手いと感じる会議もあれば、準備が明らかに不足してい
る会議もあります。(会議に参加させていただきながら、傍観者のように見て
いる私の存在も問題があるような気がしますが…。)また、雰囲気が明るい会
議もあれば、暗い雰囲気の会議もあります。

 会議の雰囲気が明るいか、暗いかには、様々な要素がありますが、一つの要
因として、「Canにこだわっているか?Doにこだわっているか?」という
見方があります。Canと言うのは「できる・できない」という基準で、Do
と言うのは、「する・しない」という基準のことを表しています。「できる・
できない」という話題が多い会議もあれば、「する・しない」という話題が多
い会議もあります。どの会議においても、極端に偏っているわけではありませ
んが、傍から見ていると、どちらの割合が多い・少ないということが良く見え
ます。

 「できる・できない」という議論が多い場合は、そのほとんどが、できない
ことが話題の中心で、できない理由が延々と語られているような感じで、会議
そのものが沈滞している印象を受けることが多いようです。
 逆に「する・しない」という議論が多い会議は、進行スピードも速く、また
関連するアイデアも次から次に出てくる印象を受けます。発想法として有名な
ブレーンストーミングを目の当たりにしているような印象を受けます。

 会議に限ったことでなく、日常の会話でもそうですが、「できる・できない」
という話題が多い企業(職場)もあれば、「する・しない」という話題が多い
企業(職場)もあります。これも社風・企業文化と言えるかもしれませんが、
特に私がお手伝いしている中小・中堅企業の中には、社員数が増える中で、以
前は「する・しない」という話題が多かったが、ある時期から「できる・でき
ない」という話題が増えていると言われるようなところもあります。

 ビジネスを展開していく上で、リスク管理も含め「できる・できない」を慎
重に検討することも当然必要ですが、新しい意見を全て「できる・できない」
という視点だけで判断していると、行き詰ることも多いようです。職場を活性
化したいという話もよく聞きますが、会話の内容や会議の内容が、「できる・
できない」といった分析的な話に終始していないかをチェックすることも一つ
の方法ではないでしょうか。皆さんの周りでは、いかがですか?


             (2006/05/15 人材開発メールニュース第383号掲載)
                         WISEPROJECT:吉次 潤


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