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報告・連絡・相談−質の向上
 仕事におけるコミュニケーションで最も基本的かつ大事なものととして報告・
連絡・相談がよく取り上げられます。報告・連絡・相談は、非常に身近なテー
マで、重要性も認識されているものの、実際現場では上手く機能していない、
質が悪いという話が多いのも事実です。

 報告・連絡・相談の質を向上させる方法は、色々とあるとは思われますが、
私が業務上のコミュニケーション(報告・連絡・相談)について相談を受けた
際に、チェックするポイントは次の2つになります。

 1つ目は「タイミング」です。報告・連絡・相談を行う際に、「誰に、何を、
どんな時に」報告・連絡・相談するのか?ということについて、職場で共通理
解があるかを確認します。報告・連絡・相談の内容そのものが悪いと言うより
も、タイミングが悪いために機能していないケースは良くあります。特に上司
−部下間の関係においては、タイミングに関する認識のズレが、思っている以
上に大きいことがよくあります。

 2つ目は「内容」、報告・連絡・相談の中身と言うことですが、特に“あい
まい語”の頻度をチェックします。あいまい語とは、「だいたい、おおよそ、
とても、少し、いっぱい、だいぶ、かなり」と言うような形容詞のことを指し
ますが、報告・連絡・相談の内容に“あいまい語”が連発されると本当に訳が
わからなくなってきます。例えば、「かなり良くなった」と言われても、話し
手の「かなり」と聞き手の「かなり」は、かなり?差があります。いずれにし
ましても、“あいまい語”の頻度をチェックして、減らすだけでも、報告・連
絡・相談の質が良くなります。

 上記の2点をチェックするだけでも、改善すべきテーマが発見できるのでは
ないかと思われます。ただ、質ばかりを細かく見始めると、情報を発信する側
が“質”に気を取られ、“量”が減ってしまうこともあります。
 特に中堅・中小企業、まだ成熟していない組織においては、やはりコミュニ
ケーションは質よりも量が大事だと思います。報告・連絡・相談の質を上げる
ことも大事ですが、やはり活気がある職場は、何よりも量が豊富です。コミュ
ニケーションの量が増えている、減っていないということを確認した上で、質
を上げていくことが必要なのではないでしょうか?


             (2005/08/08 人材開発メールニュース第346号掲載)
                         WISEPROJECT:吉次 潤


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