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ビジネスリーダー:0→1型と1→2型?
 最近このコラム(私が担当する部分)において、ビジネスリーダーに関する
話題が増えていますが、それだけリーダー育成について日頃から様々な方々と
会話する機会が増えているためだと思われます。最近私の周りでは、リーダー
について情報交換する際に「0→1」型、「1→2」型という話が流行って?
います。
 リーダーのタイプを「0→1」型と「1→2」型に分類して、Aさんは「0
→1」で、Bさんは「1→2」、と言ったり、うちの会社では「0→1」が少
ないなぁ、と言うような会話が繰り広げられています。

 「0→1」とはゼロから1を生み出すことを示しています。目的・目標その
ものを自ら打ち立て、そのために必要な資源を集めたり、環境を創造すること
を意味しています。
 一方「1→2」、1あるものを2に増やすことを示しています。今あるもの
をさらに大きくする、既存の資源や所与の条件・環境を有効に活用してさらに
大きくすることを意味しています。

 「0→1」と「1→2」は経営を進めて行く上で、どちらが良いということ
でなく、どちらも必要です。両輪が揃っていなければ、継続企業としての成長
は望めません。またそれぞれに求められる能力やスキルは異なります。

 一般的に言われているビジネスリーダーとは、どちらかと言えば「0→1」
型のことを言っているようですが、良く聞いていると「0→1→2」を全てや
るようなスーパーマンを望んでいるケースが多いようです。(本当にそんな方
をたくさん育てることができるかどうかは、わかりませんが…?)
 色んな会社でお話を聞く中で、リーダーの育成および登場が待望されていま
すが、会社・組織によって「0→1」型を期待するところもあれば「1→2」
型を期待するところもあるようです。リーダーと同じ言葉で使われているもの
の若干ニュアンスの違いを感じることがあります。
 またリーダーとして期待される方々も、各自の持ち味?として「0→1」型
「1→2」型、どちらか得意とされる領域があるように思えます。

 実際現場で、会社・組織が期待するタイプと個人の持ち味がミスマッチして
いたり、企業(経営)側と個人側が混同していたりするケースも少なくないよ
うに思われます。場合によっては、現場で成果が出ずに、折角の個人の才能を
消し去っているところもあるようです。
 リーダーと言う言葉は非常に便利(リーダーに限りませんが…)ではありま
すが、自社・自部門でのリーダーに期待する役割をもう一度整理したり、個人
の適性や志向を整理したりするなど、保有する能力をより活かすことを検討す
ることも必要ではないでしょうか?

 読者の皆さんは、「0→1」型・「1→2」型どちらですか?


             (2004/10/25 人材開発メールニュース第307号掲載)
                         WISEPROJECT:吉次 潤


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