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リーダーに求められる情報マネジメント
 企業内でITの活用が進み、イントラネットの整備などが進む中で、以前と
比べると大量の情報が流通されていると言えます。情報の流通が増えれば増え
るほど、情報を有効に活用している人材(組織)もあれば、逆に氾濫する情報
に埋もれている人材(組織)もあり、格差が生じているようです。

 先日ある会社で、日頃社内で流通している情報がどの程度業務と関連してい
るか、どの程度業務に必要なのかを調べてみようということになり、簡単なア
ンケート調査を行いました。
 社内また部門の通達がどの程度メンバー各自の業務と関連しているかを、社
員各自の感覚で、重要度に応じてABCランク(A−すぐに知っていなければ
日常業務に支障があるもの、B−今すぐでなくとも知っておかなければ業務に
支障があるもの、C−知らなくても自分の業務に支障がないもの)をつけても
らいました。(試しにみなさんの周りでもチェックしてみてください!?)

 その結果、まずメンバー個々の自己診断においては、個々人にばらつきはあ
りますが、Cランクの情報が全体の20%〜40%を占めていました。
 さらにメンバー個々人の調査結果を、そのメンバーの上司にチェック(上司
にメンバー立場を想定して同じようにABCランクをつける)してもらったと
ころ、上司とメンバーのABCランクをつけた箇所の違い、差異が30%〜50%
ぐらい存在していました。
 たまたま、この会社がそうだったのかも知れませんが、メンバー一人一人で
考えると、無駄な?情報流通が増えているように思われます。また情報が増え
続ける中で、情報の読み方や判断基準を指示していなければ、上司と部下の情
報の受け取り方に大きな差が生じています。

 前述の通り、メンバー・現場・末端までに届く情報が、以前に比べるとスピ
ードも速く、また量的にも増え続けています。現場でも情報が入手しやすくな
ったとも言えますが、組織として情報を効率的・効果的に活用するためには、
情報の活用方法に工夫が必要になっているように思われます。
 特に現場のリーダーである管理者の方々は、メンバーの情報の受け方、捉え
方に対して方針を示したり、状況を確認する必要があります。例えば、すでに
流された情報についても、再度自分の組織(チーム)に見合った形で、再加工
した上で、わりやすく再発信するということも必要です。

 管理者(リーダー)が仕事とヒトのマネジメントを行っていく上で、情報を
いかにマネジメントするか、優秀なリーダーに求められる重要なスキルの一つ
として、情報マネジメント力が今後ますます重要になると思われます。


             (2004/09/27 人材開発メールニュース第303号掲載)
                         WISEPROJECT:吉次 潤


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