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Eラーニングの可能性
 ADSLや光ファイバーサービスなどブロードバンド環境が整備される中で、
Eラーニングの利用が増えています?と言っても私の周りでは、Eラーニング
の利用が増えたと言う人もいれば、増えてないと言う人もいます。(皆さんの
周りではいかがでしょうか?)
 増えたという方は、恐らく周りで着実に利用者が増えていることを見て、増
えたと言っているようで、増えていないと言う方は、予想した以上には増えて
いない状況を見て、増えていないと言っているように思われます。事実、Eラ
ーニングに関する様々な調査結果を見る限りは、利用実績が着実に増えている
ようですが、期待された以上に増えていないと言えるようです。

 Eラーニングが予想以上に伸びていない一つの理由として、トレーニングが
主体になってことも一つの原因だと思われます。トレーニングとは、何らかの
知識や技術を教える、または覚えることが中心であり、どちらかと言えば教育
を実施する側の考えに立ったものであると言えます。トレーニング中心のEラ
ーニングは、従来進められていた教育コンテンツをWEB・通信環境上の置換
えることが中心であり、前述の通りブロードバンド環境の発達ともに利便性は
向上していますが、やはり置換えている「だけ」という印象も少なくありませ
ん。

 Eラーニングに限ったことではありませんが、トレーニングとラーニングは
異なります。ラーニングとは、もっと学習者の主体的な意志によって運用され
るものであり、意志有る学習者同志の交流によりさらに新たな価値が生み出さ
れることも含んでいると考えられます。(勿論自発的にトレーニングを受ける
ことも含まれます。)

 Eトレーニングではなく、Eラーニングと言われている意味があるように思
われます。学習者の意志をさらに喚起したり、新しい知識がさらに新しい知識・
知恵を生み出すことが、通信という環境が整備される中で、よりタイムリーに
情報交換される中で、期待されていると言えます。ただ単に従来の教育コンテ
ンツを置換えるだけではもったいないような気もします。私も含め、人材開発
に携わる教育機関や企業内の教育担当部門の方々の間で、もっとEラーニング
の可能性を引き出すような議論や試みをこれから重ねていく必要があると言え
ます。


             (2004/07/12 人材開発メールニュース第293号掲載)
                         WISEPROJECT:吉次 潤


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