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営業(商品−顧客)の見なおし
 最近の景気動向の発表はどこも上向きのようですが、あまり実感がわかない
のは、私だけでしょうか?私が話を伺う限りでは、特に営業・販売部門=売上
をつくる部門では、知恵を絞らなければ、簡単には成果が出ないようです。

 成熟段階の市場においては、単純な話ですが、同じ市場で競争する自社また
ライバル会社がともに前年比5%の売上を達成しようと目標を設定したとして
も、市場そのものの成長率が5%未満であれば、どちらかが目標が達成できな
いことは明白です。言い古されたことですが、モノが余る時代であり、市場を
選別しなければならない時代であると言えます。このような環境の中で、確実
に売上(利益)を獲得していくためには、再度、顧客(市場)は誰?、提供し
ている商品(サービス)は何?ということを見直す必要もあります。またこの
顧客−商品の軸が、トップと現場で乖離していないか、確認する必要がありま
す。

 顧客−商品の軸を見直すために、営業(販売)職の若手社員研修(勉強会)
でよく利用するのが、P.コトラーの商品(製品)概念3層モデルです。マー
ケティングにおいては定番の理論ですが、製品を「中核的商品」「現実の商品」
「拡張概念の商品」と3つの層で捉えます。中核的商品とは、顧客に提供して
いる核となるベネフィット・サービス、問題解決能力を指しています。「現実
の商品」とは、商品の特徴・スタイル・ブランド名・パッケージ・品質水準な
ど、実際目に見える商品そのものを指しています。拡張概念の商品とは、商品
に付随する取り付け、アフター・サービス、保証、配達、信用供与などを指し
ています。

 研修(勉強会)では、3つの層それぞれに自社の商品の特徴などをグループ
討議するわけですが、「現実の商品」については、あまり個人差は見受けられ
ませんが、「中核的商品」「拡張概念の商品」についてはかなり個人差があり
ます。
 また現在の特徴だけでなく、日頃、現場で感じている改善の方向などを討議
させると、研修を実施する立場ではありますが、それぞれの会社の雰囲気がよ
く理解できます。業績が伸び悩んでいる会社ほど、意見が少なかったり、意見
がバラバラだったりするのは気のせいでしょうか?
 最近、自社商品を知らないで売っている(売らされている?)社員が増えて
いるような気もしますが、みなさんの周りではいかがですか?


             (2004/02/23 人材開発メールニュース第274号掲載)
                         WISEPROJECT:吉次 潤


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