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リーダーとコミュニケーションの場
 会社・事業が大きくなる過程で、社員数・組織が大きくなればなるほど、情
報共有が難しくなると言われています。
 全てとは言いませんが、やはり元気の無い企業では、トップと現場の方針が
徹底されなかったり、情報が不足するケースが増えます。「言ってることとや
ってることが違う」と言う言葉に代表されるように、組織全体のモラルが低下
し、結果元気が無い感じで映るように思われます。
 逆に、活力がある明るい組織・企業においては、社内情報の共有化に頭を痛
めながらも、試行錯誤を繰り返し、粘り強く取り組んでいるトップ、リーダー
が存在しているように見えます。

 インターネット、イントラネットなど活用により、以前に比べ情報を伝える
方法は格段に増えています。しかし、その反面伝達手段が増えれば増えるほど、
情報を発信する側主導の「情報のばら撒き」が増えているように思えます。言
い古されたことでありますが、コミュニケーションは受け手が理解して初めて
成立するものです。受け手の状況・環境を無視しての「情報のばら撒き」では、
結果として組織の中に混乱だけが残ることもあります。

 情報伝達の手段が多様化するほど、一対一、フェイス・トゥー・フェイスの
コミュニケーションの重要性が高まっているように思われます。健全なる組織
運営を図るために、組織の舵取りをするリーダーに求められることの一つは、
コミュニケーションルートの確保、整理であると言えます。
 現場に対して確実に理解を深める必要がある大切な情報については、一方的
な情報発信ではなく、時間を割いて、一人一人の顔を見ながら、それぞれの状
況に併せたコミュニケーションが必要です。大事な情報の「周知徹底」はリー
ダーの責務であり、「周知徹底」を他人任せ、委譲してはならないと言えます。

 情報伝達を上手くやりたい、効率的にしたいという話もわからなくはありま
せんが、上手・下手や効率・非効率だけでなく、「話し合う場、コミュニケー
ションする場」が必要です。コミュニケーションの質を高めることも大事です
が、“場”を作ることで泥臭く量を確保していくことも必要であると言えます。
“場”をつくることを惜しまないリーダーが、部下にとってわかりやすい=信
頼されるリーダーとして周囲から認められているように思われます。

 みなさんはどのようにコミュニケーションの場を作っていますか?


             (2003/11/24 人材開発メールニュース第262号掲載)
                         WISEPROJECT:吉次 潤


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