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初めて社員教育を担当する方へお薦めする本
 先日人材開発メールニュースに以下のようなご質問がありました。
 「私は人事部の課長で社員教育も担当しています。10月の異動で、全く人事・
教育部門を経験したことがない、入社3年目の社員が新しく配属されました。彼に
これから当社の社員教育業務について教えていかなければならないのですが、短期
間で社員教育の基本を学習させるのに、何かいい書籍は無いでしょうか?」

 メールの内容では、配属されてきた方に、本以外にどのような内容で社員教育業
務を指導していくかがわからないため、これだけの情報では、適切なアドバイスは
難しいかと思います。教育担当者に求められる知識は、本などで学習する一般的な
知識も勿論必要ですが、企業(組織)の状況に応じて必要な知識は異なるからです。
しかし、このような質問は、よく受ける相談の一つなので、とりあえず初めて教育
担当をする方にお薦めする本をいくつかご紹介いたします。

 ○桐村晋次著 日経文庫「人材育成の進め方」  日本経済新聞社  
 これから社員教育を担当する人に一冊だけ選べということであれば、まずこの本
をお薦めいたします。教育担当者の役割や社員教育の考え方を理解するのに適して
います。日経文庫なので、ボリュームも少なく、読む事にも負担がありません。

 次にお薦めするのは、経営管理技法や研修技法に関する辞書です。これは、読む
と言うよりもわからない言葉が出てきたときに、都度確認することが大切です。特
にこの本で無ければというものはありませんが、強いて挙げるとすれば、次の本を
お薦めいたします。
 ○山際有文著 「経営管理技法の事典」 日本実業出版社
 ※注 少し古い本のため、もう書店ではないかも知れません。
 トレンドを追いかけるのであれば、「現代用語の基礎知識」、「イミダス」、
「知恵蔵」などでも十分です。とにかくわからない言葉に関しては、その都度調べ
て解決することが重要です。

 最後に、研修の企画についてのノウハウものとして、次の本をお薦めします。
 ○平松陽一著 「確実に人材を育てる企業内研修の進め方」 かんき出版
 教育の実務担当者のノウハウ本としてお薦めいたします。研修の企画・運営のコ
ツについてわかりやすく解説しています。

 上記以外でも、たくさん参考になる書籍はありますが、あとは、会社や教育担当
者の実状に応じて、必要な本を選択されることをお薦めいたします。
 これからの人材開発担当者は、経営戦略を策定、実行する人材を育てていかなけ
ればなりません。そのためには、社員教育の知識も勿論ですが、さらに経営に関す
る知識が求められます。研修ノウハウ関係の知識に偏らず、経営全般を見る眼を養
うことが、ますます必要になると考えられます。

 ※あくまでも、個人的な見解を記述しています。


             (1998/10/26 人材開発メールニュース第11号掲載)
                         WISEPROJECT:吉次 潤


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